キルハウス|特殊部隊が突入、CQBを練習する訓練施設

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キルハウス(Kill house)とは軍や特殊部隊、法執行機関が実戦を想定して建物内での突入や立ち回りを練習、シミュレーションするための訓練施設、または実弾小型武器用の射撃場になります。キル・ハウスは住宅、商業施設、工業空間を模倣して設計されます。

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キルハウスの目的

https://www.israelitactical.com/

世界人口の50%以上が都市部に居住している現在、戦争・紛争の舞台は荒野ではなく、市街地に集中しています。テロリストや武装組織も郊外よりも人込みに紛れるようになります。自ずと特殊部隊や法執行機関は市街地での戦闘が余儀なくされ、標的が建物内ということが多くなります。内部の状況が把握しにくい建物を攻略するには訓練と経験が必要です。また、市街地には非戦闘員も多数います。彼ら誤って射殺することはあってはなりません。キルハウスは建物内を迅速かつ効率的に侵入、制圧する方法について隊員に教育、訓練させるための施設の一つになります。

構造・造り

キル・ハウスはさまざまなシチュエーションを想定して設計されています。一般家庭、銀行、市場、学校などがあり、中東での作戦を意識したモスクなどもあります。造りはコンクリートからベニヤ板のような単純なものまで、ニーズに応じて、どんな材料でも建設することができます。しかし、訓練では実弾も使用します。そのため、施設の壁は跳弾を防ぐために弾丸の衝撃を吸収する必要があります。強化発砲スチロールやゴムのような強い材料が必要です。銃火を吸収できない素材を使用すると、負傷や死亡につながる可能性があります。
標的はなるのは民間人を模したマネキンや紙のシルエットのターゲットになります。訓練では急所に当てているかも審査対象になります。民間人のターゲットに当てた場合は減点対象です。

キルハウスでのルール

射撃場の安全管理、不要な射撃や事故を避けるために基本ルールとガイドラインが制定されています。

・耳と目の保護キットの着用
・防弾チョッキの着用
・標的は部屋の周囲に配置し、弾がインパクトエリア(壁)に当たるようにする(貫通による二次災害を防ぐ)
・練習前に射撃場に誰もいないことを確認
・設備(銃、弾薬、標的、射撃場)はすべて、訓練実施前に検査、確認

・すべての銃器は実弾が装填されている前提で扱う
・火器は人に向けてはならない
・引き金から指を話す
・ターゲットだけでなく、その先のすべてに注意する

次世代のキルハウス

https://www.marinecorpstimes.com/

最近ではテクノロジーを使用したバーチャルキルハウスが誕生しています。通常キルハウスのターゲットはシルエットやマネキンを撃ちますが、バーチャルキルハウスでは標的はリアルで本物の人間のようです。プロジェクターによって投影された標的は移動し、喋ります。これらは投影するために通常平らな面しか必要としないので、実弾ではなくワックス製の模擬弾が使用されます。

最近多くなっているのがバーチャルリアリティ(VR)を使ったキルハウスになります。これはキルハウス全体を仮想空間の中に造り上げます。訓練者はセンターが付いた装備と銃を手にし、VRゴーグルを装着します。訓練施設には従来あるはずの壁やマネキンは一切ありませんが、ゴーグルの中には壁や人が映し出されます。施設内にはセンサーを感知する受信機が複数設置してあり、訓練者の位置や動きを感知して、現実の動きに合わせた世界を仮想空間内につくり上げます。これにより民間人を傷つけずに犯人を制圧したり、人質を救出する場面など、従来の訓練では再現の難しいリアルな状況を再現できます。また、実弾を発砲しないため、完全に安全な形で訓練ができ、デジタルによる正確な射撃計測が可能になります。

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