ノルウェーは北海に面する人口500万人の北欧の国。氷河による浸食作用によって形成された複雑な地形のフィヨルドやアトランティックサーモンが有名です。そして、世界で最も男女平等が浸透している国としても知られています。それは男性社会と思われている軍隊においても同様で、世界でも数少ない男女共に徴兵制がある国になります。そして、世界で唯一の女性のみの特殊部隊を有しています。それが女性特殊部隊Jegertroppen(ジェガートロペン)
世界初の女性特殊部隊
ジェガートロペンは1982年に創設されたノルウェー国防軍の対テロ部隊の特殊作戦コマンド(FSK)の一部門になります。FSKは2001年まで約20年に渡り存在が秘密されてきた精鋭部隊です。
ノルウェーは2015年から女性にも徴兵制を導入しましたが、 ジェガートロペンの設立はその前年の2014年になります。同年にノルウェー特殊部隊(NORSOF)と海軍特殊部隊(MJK)がFSKに統合されたことに合わせて1年間の実験プログラムで世界初の女性特殊部隊として設立されました。その後の3年間で成果を上げ、部隊は常設化されることになります。
特殊部隊といえど、女性ということもあり、直接的な武力行為は男性の部隊が担い、彼女たちのおもな任務は対象地域とその周辺の特殊偵察になります。とはいて偵察任務は米海兵隊にも偵察専門の特殊部隊フォースリーコンがあるように特殊な技量が必要な部隊です。
ジェガートロペンに加わるためには身体的適性と精神的態度、思考についてテストされます。選考プロセスは、3週間の選考コースと、その後、身体的および精神的な耐久スキルをテストする最終選考コースである「地獄の週」に分けられます。
プログラムを完了するには、22キロのフル装備を背負って距離15キロメートルの森林コースを2時間15分以内に行進。2分間で50回の腹筋、6回の懸垂、40回の腕立て伏せ。3キロを13分以内に走る。400メートルを11分以内に泳ぎ切らなければならないといった、男性顔負けの課題をクリアしなければなりません。
設立のきっかけはアフガニスタンでの任務
厳格なイスラム圏では夫や家族以外の男性と他の女性がコミュニケーションをとったり、顔すら見ることが宗教上禁じられています。 ノルウェー軍がアフガニスタンに駐留した際に地域社会との関係構築、情報収集するためには、女性と直接コミュニケーションが取れる女性オペレータの必要性を感じ、ジェガートロペンの編成に動きました。
最近ではアメリカ海軍特殊部隊のNAVY SEALDsや昨年にはイギリス陸軍特殊空挺部隊(SAS)も女性に門戸を開放し、応募が可能になっています(2019年4月時点では、まだ、女性隊員はいない模様)。軍においても性別区別がなくなりつつあるのが今日の流れのようですね。
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