主に分隊、小隊レベルで戦場を移動するときに重要になるのが隊の先頭を行く者です。彼らは「ポイントマン(Point Man)」と呼ばれます。
ポイントマンの役割
ポイントマンは戦場において隊から数メートル先の先頭に立ち、前方を警戒しながら隊を先導します。 隊の中で一番先に敵と会敵、又は狙われるポジションになり、隊の中ではもっとも危険なポジションになります。ポイントマンは行軍時は常に周囲に目配り、異常や危険を察知すれば、直ぐに後続に知らせる必要があります。もし、ポイントマンが敵の待ち伏せやトラップを見逃せばそれは自身の死を意味し、後続の隊を危険にさらすことになります。
ポイントマンと隊の動きは常に連動しており、ポイントマンが停まれば隊は停まり周りに注意を払い、しゃがめば隊もしゃがみます。ポイントマンが耳を指させば、周囲の音に注意を払い、目を指差し、方角を指させば、その方向に敵や脅威が迫っていることを意味します。敵と会敵した際は「コンタクト!」と叫び、味方に敵の存在を知らせ、必要に応じ先制射撃を行います。
必要な能力
ポイントマンは新兵や初心者に務まりません。索敵や危機察知といった能力や様々なシチュエーションにおいて状況判断できる経験が必要になります。敵の偽装を見抜く能力、地形を判断して待ち伏せポイントやトラップを見抜く能力など強い警戒心が必要になります。待ち伏せなど予期せぬ攻撃を受けた際には冷静に対処する能力も必要になります。
誰もが嫌がるポジション
先にも述べたようにポイントマンは一番危険なポジションになり、そのため、ポイントマンになることを誰もが嫌がります。しかし、上官からの命令には逆らえず、志願者でもいない限り、任命された兵は「いいえ」とは答えず、「はい」とポイントマンの任を引き受けます。
ちなみに犯罪の世界でも「ポイントマン」という用語は使われ、見張り役という意味になります。