ボブサップと見間違うほどの筋肉隆々の体。その上腕二頭筋の腕周りにはなんと61㎝!どこかのプロレスラーかと思うほどの体だが、彼は紛れもない一流の料理人になる。アンドレ・ラッシュ氏は1997年からホワイトハウスでシェフとして料理を担当し、 クリントン、ブッシュ、オバマ、トランプ と4つの政権で料理人として仕えてきました。
元アメリカ陸軍の最強料理人
ラッシュ氏は元アメリカ陸軍の軍人になり、陸軍の中でもすご腕料理人として手腕を発揮していました。当初、予備役として軍の士官学校に務めるも、その後、正規に軍に入隊します。軍の中でも料理人としての道を進み、多くの将校、陸軍参謀総長といった高官の料理人と奉仕し、イラクにも派兵されています。その後、腕を買われて、ホワイトハウスの料理人として招聘されます。ホワイトハウスではフードサービスマネージャーまで上り詰めます。
指導官としても料理の分野で1万人以上の兵士を訓練し、上級士官のトレーナーとしても陸軍から招聘されています。料理だけではなく、1000人以上の士官候補生、飛行士、兵士、海兵隊員、および民間人に対して白兵戦のトレーナーを務めました。
トライデント大学では経営管理の学士号を取得し、スタッフォード料理大学では準学士号。他にもホテルレストラン管理の準学士号、ソムリエとしても知識を有しています。
現在は軍を退役しています。退役時の階級は軍曹になります。今はフリーの料理人として活動しており、フードコンサルタントや軍事訓練トレーナを行っています。今でもホワイトハウスの料理イベントに登場しています。
毎日欠かさない2222回の腕立て伏せ
彼は昔の陸軍での任務で、PTSD( 心的外傷後ストレス障害 )の症状に悩まされました。そのPTSDの治療に役立ったのが料理であり、料理をしている時が彼にとっては幸福な時間でした。しかし、自身が料理を指導していたウェズリー・ダーデン軍曹がPTSDで自殺をしてしまいます。それをきっかけに、彼もPTSDに対して向き合うようになります。そこで彼は、PTSDによる自殺した兵士に敬意を払う 「#22PushUpChallenge」を行うようになります。これは2016年ごろに始まったチャレンジになり、PTSDによる米兵の死者は1日22人に及ぶと言われており、彼らへの敬意とPTSDの啓蒙のために腕立て伏せを1日22回、22日間連続するというチャレンジになります。しかし、彼は22回ではなく、その100倍に当たる2222回の腕立て伏せを自らに課しています。
腕立てをしているとPTSDに苦しんだ兵士たちが思い浮かぶといい、あのマッチョな体には筋肉だけではなく、いろんな思いが詰まっています。