ウクライナ人パイロット200名が英空軍での訓練を終える

ウクライナ人パイロット200名が英空軍での訓練を終える
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イギリス空軍(RAF)は、ウクライナ人パイロットの新たなグループの訓練を完了し、2023年夏の開始以来、初級飛行訓練プログラムの卒業生の総数は200人となった。今年3月に最初の10人がイギリスでの操縦訓練を終えていた。

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イギリス空軍は23日、「RAF Elementary Flying Training(初等操縦訓練)」のウクライナ人パイロットの最新の卒業式が行われた事を発表した。これでイギリスで訓練を終えたウクライナ人パイロットの総数は200人を超えた。これは米国、デンマーク、オランダが共同で主導するウクライナ人パイロットに向けたF-16戦闘機の操縦訓練の一環になる。イギリスは2023年5月の広島サミットでウクライナへのF-16の供与が正式決定すると、同月に早速、同年夏からウクライナ人パイロットに向けた操縦訓練を開始すると発表。

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F-16を保有していないイギリスでの訓練は3段階ある操縦訓練のうちの第1段階である初等訓練になり、ドイツ製の初等練習機Grob-115で行われた。ウクライナ人パイロットたちは経験豊富なイギリス空軍の教官から、一般的な航空機の操縦、航空機の計器による飛行、低高度航法、高度な編隊飛行について教わった。また、訓練に役立てるため、国際標準の飛行言語である英語を背景として、NATO空軍との相互運用性を高めるための英会話の訓練も受けた。パイロットたちはイギリスで約80時間の飛行訓練を終えた。あるウクライナ人パイロットは、自身の経験を振り返り、「このコースはやりがいがあり、楽しく、私をより優れたパイロットにしてくれました。私はより優れたパイロットになれた。ウクライナへの英国の支援に感謝しており、将来に備えてくれた英国空軍の教官たちに個人的に感謝しています」と語った。 

イギリスで行われたのは最初の初等訓練になり、卒業したパイロットは第二段階の訓練のため、フランスに移動する。彼らはフランスでF-16戦闘機に似た計器を備えた高等練習機/軽攻撃機アルファジェットを使った高度な飛行訓練を行う予定だ。ここでの訓練を終えてようやくF-16の訓練に進むことができる。最後の三段階目の訓練は2023年11月に米欧12か国の支援によってルーマニアのフェテスティ空軍基地に開設された「欧州F-16訓練センター」に移動して行われ、実際にF-16戦闘機に乗って訓練が行われる。ここでの訓練を終えて、晴れてF-16戦闘機のパイロットとなる。訓練期間は経験や英語力によるが、半年から1年ほどになる。

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F-16の操縦訓練は各国で行われており、イギリスでは今年3月に最初の10人が訓練を終えていた。F-16は最初の10機が今年7月31日にウクライナ空軍に納入されたが、操縦訓練を全て終えたパイロットは機体と同数ほどしかおらず、パイロットは不足している。防空任務のため、8月26日に初陣を飾るが、1機がフレンドリーファイアで撃墜され、貴重なパイロット1名を失っている。

ウクライナへのF-16の供与数は今のところデンマークが19機、オランダが24機、ノルウェーが2機、ベルギーが30機、ギリシャが32機の計107機を予定しており、2024年中に20機が供与される予定だ。また、フランスがミラージュ2000の供与を決定しており、2025年1~3月での納入を予定。スウェーデンはF-16の運用に一定の目途が立てばグリペンを供与する予定だ。ウクライナに供与される西側戦闘機は200機近くになる可能性があり、少なくとも倍の数のパイロットが必要になる。

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