A-29スーパーツカノ|現役で活躍するプロペラ攻撃機

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民間ではセスナ機、軍事用では輸送機などでまだ一部プロペラ機は見られるが、 航空機は軍事、民間双方においてジェットエンジンが全盛の時代。特に機動力が求められる戦闘機・攻撃機においてプロペラ機を見ることはクラシック機でもない限りない。しかし、未だに攻撃機として活躍するプロペラ機がある。ブラジルの航空機メーカー、エンブラエル社が製造するEMB-314こと「スーパーツカノ」だ。世界でも最新鋭の航空機を有する米軍も使用するプロペラ軽攻撃機になる。

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A-29 スーパーツカノ

プロペラ機の攻撃機といわれると数十年前に製造された機体がまだ現役で飛んでいるとだけと思うかもしれないが、スーパーツカノは1992年に初飛行し、1999年から本格運用が開始されており、ジェット機隆盛の時代に開発製造が開始された機体になる。当初の主な用途は高度なパイロットトレーニングに加えて、ブラジルでの国境警備と反乱鎮圧作戦になる。開発時、ブラジル空軍においてアマゾンにおける不法伐採・汚染、麻薬売買などの不法行為に対する国境監視能力を強化するためアマゾン監視システム(SIVAM)計画を立てており、早期警戒管制機やリモートセンシング機とともに軽攻撃機(ALX)としてスーパーツカノの導入を決定した。そのためスーパーツカノはブラジルアマゾンの環境条件に最適化された。スーパーツカノは最小限の地上サポートで、遠隔地や未舗装の滑走路から昼夜を問わず任務を遂行できた。最初の量産機は1999年に完成する。2001年8月にはブラジル空軍はエンブラエル社と76機のスーパーツカノの受注契約をし、さらに23機の追加オプションを含め計99機を契約する。単座型のA-29が48機、複座型のAT-29が51機になる。最初の航空機は2003年12月に引き渡され、2007年9月までに50機が就航、99機目となる最後のA-29は2012年6月に納入される。以後、A-29スーパーツカノは、世界中の14を超える空軍によって運用されている

米軍による導入

アメリカ空軍は2013年2月にエンブラエルにA-29スーパーツカノ20機をアフガニスタン空軍に納入するために4億2,700万ドルの契約を行っている。アフガニスタン空軍には最初の4機を2016年1月に引き渡し、残りの機体は2018年末までに引き渡した。その後、追加の6機のA-29が2017年10月に新たに契約されている。2018年9月までに、アフガン空軍は22機のA-29を受け取っている。アメリカ空軍によって訓練されたパイロットたちはA-29で武装組織タリバンを空から攻撃し、地上部隊を支援した。過酷な環境化でも運用可能な機体と統合された武器、レーザー発射技術による武器プラットフォームは、歩兵の前進を支援する制圧射撃と、精密なピンポイント攻撃の両方を可能にし、効果的な戦果を上げた。これにより、米空軍は公式に自軍への導入を2019年10月に決定し、3機のA-29をエンブラルと契約した。2020年初頭には引き渡される予定になっている。まずはネバダ州ネリス空軍基地の空軍司令部に配備され、戦術運用性の向上を目的としたテストや開発が行われる。SOCOM(特殊作戦司令部はナイジェリア、ソマリア、リビアといったアフリカ地域への導入求めており、運用テストが良ければこれらの地域に追加配備されるかもしれない。

性能

armyrecognition.com/

前面ガラス張りのコックピットは イスラエルのエルビット・システムズ社のアビオニクス・システム(写真上)を装備している。 暗視ゴーグルに完全対応し、ヘッドアップ・ディスプレイ、最新ミッション・コンピュータ、ナビゲーション・システム、および2.6×8incカラー液晶多機能ディスプレイが搭載されている。24°視野のヘッドアップディスプレイと先進兵器供給システムは、MIL-STD-1553Bデータバスを介して統合される。操縦桿には、スロットルとスティックコントロールが付いている。

パイロット席の周囲はケブラーの装甲で保護され、排出シートを備えている。クラムシェルキャノピーは前部と後部で蝶番をつけられ、電気的に作動し、除氷システムが取り付けられ、4ポンドの鳥の衝撃に耐えることができるフロントガラスを備えている。

スペック

乗員:A-29(1名)AT-29(2名)
全長: 11.38m
翼幅: 11.14m
最大離陸重量: 5,400 kg
最大速度: 590 km
巡航速度: 520 km
航続距離: 4820 km

武器

・20㎜ミニガン 650発/分
・ FN Herstal 12.7㎜機関銃 1100発/分
・7.62mm Dillion Aero M134ミニガン 3000発/分
・70mmロケット
・AIM-9L Sidewinder(空対空ミサイル)
・AGM-65 Maverick(空対地兵器ミサイル)

※レーザー距離計とレーザー誘導武器も使用できる。

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https://www.defensenews.com/air/2019/10/25/air-force-officially-buying-light-attack-planes/
https://nationalinterest.org/blog/buzz/why-us-special-forces-would-love-29-super-tucano-62102
https://www.airforce-technology.com/projects/super_tucano/

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