活発な中古戦闘機市場

活発な中古戦闘機市場

フォーブス誌の発表によれば、自国の空軍の戦力強化、近代化を図るために中古の戦闘機を購入する国が増えています。その背景にあるのが、ヨーロッパの先進国の間で最新の第5世代ステルス戦闘機の採用、配備が進んだことで、それまでの主力であったF/A-18やF-16といった第4世代戦闘機が余剰戦力となっています。とはいえ、これらはまだまだ前線で活躍できる機体であり、中古の安価な機体を狙う中堅国、途上国が多くなっています。

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F/A-18

F/A-18
F/A-18D(US Air Force)

F/A-18は1970年代にマクドネル・ダグラス(現ボーイング)社によって開発され、1983年に運用が始まった戦闘攻撃機です。1機あたりのユニットコストは2,900万ドルになります。

マレーシア空軍は現在、8機のF/A-18Dホーネットを運用していますが、この数を倍にしたいと考えています。2021年に、米海兵隊のF/A-18C、オーストラリア空軍のF/A-18A/Bが全機引退し、F-35に置き換わるなど、先進国の空軍ではF/A-18の旧モデルの退役が進んでいます。しかし、マレーシアが購入を検討するのはこの両国ではなく、中東のクウェートになります。クウェート空軍は33機のF/A-18ホーネットを保有していましたが、2016年にホーネットの最新機種であるF/A-18E/Fスーパーホーネット40機を取得する契約を米国と結んでおり、2021年には28機が納入されています。クウェートの F/A-18 は稼働時間が短いとされ、マレーシアは古くなった F/A-18ホーネット33機すべてを購入したい旨を公表、クウェートに打診したと報じられましたが、これはクウェートが否定しています。マレーシアが最終的にどこから調達するのか、まだ不明です。今年の12月にはフィンランドが古くなったF/A-18に代わる機体としてF-35を64機を注文しており、50機以上ある同空軍のF/A-18が中古市場に出るかもしれません。ちなみにオーストラリア軍のF/A-18A/Bは民間の航空軍事・訓練会社「Air USA」への売却が決定しています。

F-16

F-16
F-16(Norway Air force)

F-16は1970年代にジェネラル・ダイナミクス社(現:ロッキード・マーティン)によって開発され、1978年に運用が始まった戦闘機です。1機あたりのユニットコストは1500~1,900万ドルになります。

ルーマニア議会は12月にノルウェーから32機の中古のF-16を購入することを決定しました。NATOの一員であるノルウェーは主力戦闘機をF-16からF-35に置き換えている最中になります。ルーマニア空軍は現在17機のF-16を運用しており、納入されれば、F-16の飛行隊は大幅に増強され、ソビエト時代の古いMig-21を完全に置き換えることができます。44機あるとされるノルウェー空軍のF-16ですが、残りの12機は米国防省向けに飛行訓練など提供するDraken Internationalに販売される予定です。Drakenはオランダ空軍からも中古のF-16を購入します。

デンマーク空軍は2027年までに27機のF-35の配備が完了する予定で、43機あるF-16のうち16~24機を売却したいと考えています。これを狙っているのがトルコです。NATOの一員であるはずのトルコはロシアから防空ミサイルシステムS-400の購入を決定したため、F-35の購入を米国から断れます。トルコはF-16の主要運用国の一つであり、200機以上の機体を保有していますが、いくつかの機体は老朽化、耐久寿命を迎えており、最新ブロックのF-16の購入を米国に求めていましたが、前述の理由で交渉は上手くいっていません。かといってデンマークも米国やNATOの許可なしにF-16の売却先を決めることはできないためトルコの調達は前途多難です。

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ラファール

ラファール
Rafale(French Air force)

ラファールは1980年代から90年代にかけてフランスのダッソー社によって開発され2000年から運用が始まった多用途戦闘機です。1機あたりのユニットコストは6,000~8,000万ドルになります。

ギリシャは今年1月、18機のラファールを購入する契約をフランスと締結、フランス以外で初めてラファールを採用するヨーロッパの国となります。18機中、12機がフランス空軍の中古機になり、6機が新規製造です。ギリシャは更に6機を追加することも検討しています。

クロアチア空軍は11月、フランス空軍の中古のラファールF3-R戦闘機12機を購入する契約に署名しました。2024年に6機、2025年に6機が納入され、ユーゴスラビア時代から運用されている老朽化したMig-21から置き換わることになります。

フランス空軍は中古の計24機を売却する代わりに2023年に12機のラファールを新規で注文します。

ミラージュ2000

ミラージュ2000
Mirage 2000(French Air force)

ミラージュ2000は1970年代にフランスのダッソー社によって開発され、1984年から運用が始まった戦闘機です。1機あたりのユニットコストは2,300万ドルになります。

インド空軍は今年フランスから退役予定の24機の中古のミラージュ2000を購入する契約を結びました。1985年からミラージュ2000を運用するインドは、3つの飛行隊と50機を所有する主要な運用国です。しかし、この24機は単純な戦力増強ではなく、老朽化した機体のスペアパーツを補う目的になります。インド空軍は過去2年間だけで7機もの機体を事故で失っており、戦力維持が喫緊の課題でした。

Mig-29

ポーランド空軍のMig-29が誤って味方のMig-29に発砲

Mig-29は1970年代にロシアのミグ設計局によって開発され、1983年から運用が始まった戦闘機です。1機あたりのユニットコストは1,100~2,200万ドルになります。

クロアチアやスロベニア、コソボなど旧ユーゴスラビアの多くの国がEU寄りの姿勢をとる中、セルビアはロシアとの関係を強化。周辺国と関係が悪化するなか、ロシアの協力を得て、軍備を強化しています。2021年にはロシアから6機の中古MiG-29戦闘機を受け取っています。

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Source
https://www.forbes.com/sites/pauliddon/2021/12/26/more-countries-are-seeking-second-hand-fighter-jets/?sh=24cfa77579ff

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