2017年に登場したAM-17は、これまでロシア連邦軍やロシア警察が使ってきたAKS-74Uに取って代わる小銃とされています。
ドラグノフMAの系譜を継ぐ小型小銃
ロシア軍や警察では建物内のCQB(近接戦闘)や特殊任務、戦車や航空機の隊員装備として長らく、AK-74を小型化したAKS-74U(写真上)を使ってきました。しかし、誕生から40年以上が経ち、時代遅れとなった銃は近代化の必要に迫られます。そこで開発されたのがAM-17です。
AM-17はかつて著名な銃器デザイナー”ドラグノフ”氏によって開発されたアサルトライフル「ドラグノフMA」をベースに設計されました。ドラグノフMAは1973年にコンパクトなアサルトライフルとして設計されもので、ドラグノフ氏は大幅な軽量化を実現するために当時では珍しいプラスチックパーツを多用した革新的な設計を用いましたが、当時はそれが評価されず、AKS-74Uの競争に敗れ、1974年に生産が終了します。
軽量化されたアサルトライフル
AM-17はドラグノフMAの軽量化を受け継いでいます。レシーバーは上下二つのパーツに分かれており、負担と接触が多い上部レシーバーは鋼鉄製ですが、下部レシーバー、ストックやグリップ、マガジンなどそれ以外のパーツは強化プラスチックでできています。ハンドガードにはM-lokを採用するなどして、軽量化した重量は2.5kgです。これはAKS-74Uより0.2kgも軽くなっています。
ストックは伸縮・折畳み式で折り畳んだ状態では490mm、この長さはAKS-74Uと同じ長さとサイズ的には同等ですが、銃身(バレル)はAKS-74Uの206,5 mmに対して230mmと長く、精度、射程が向上しています。アッパーレシーバーのピカティニーレールに、サイドについたM-lokにより、拡張性はAKS-74Uより数段上がっており、AKS-74Uの欠点を修正しています。弾丸は同じ5.45x39mmを使用し、マガジンはAK-74シリーズの物がそのまま使用できます。
AKS-74Uは今後、随時AM-17に置き換えられる予定です。
口径 | 9㎜ |
重量 | 2.5kg(マガジンなし) |
全長 | 750㎜ 490㎜(ストック折畳み時) |
銃身長(バレル) | 230㎜ |
弾丸 | 5.45×39㎜弾 |
装弾数 | 30発 |
発射速度 | 700~850発/分 |
姉妹ライフルとして同時期に登場した「AMB-17」あります。基本的な設計は同じで、特殊作戦用の消音装置を内蔵したアサルトライフルです。