北朝鮮空軍は500機以上の航空機を保持、衛星画像で稼働状態も分析

衛星画像を用いて分析。北朝鮮空軍は500機以上の戦闘機を保持している

イギリスの国際戦略研究所(IISS)が公表した年次報告書によると、北朝鮮の朝鮮人民軍空軍は現在、500機以上の戦闘機を保持していることが明らかになった。

北朝鮮の空軍戦力の多くが燃料不足や整備不良で、地下基地に格納されており、実態を正確に把握することは難しいが報告書では過去の衛星画像と比較して稼働状態についても分析している。

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70年経ても稼働するMig-15戦闘機

Mig-15
Mig-15

IISSは衛星画像などを用いて北朝鮮空軍の空軍の戦力と保有機体、稼働状態について分析。公開された衛星画像には、空軍基地の駐機場に並ぶ、ソ連製の第1世代のMiG-15ジェット戦闘機やSu-25攻撃機、第4世代のMiG-29戦闘機ど、複数の航空機を把握。その中でも、もっとも古い機体がMiG-15になり、これは1947年に初飛行した機体で北朝鮮には1950年代に導入、朝鮮戦争で使用された機体になる。延べ15,000機以上生産され、世界中で使用された機体も初飛行から70年以上が経ち、ほぼ全てが退役。現役で運用しているのは北朝鮮軍だけになり、現役の戦闘機としては世界で最も古いモデルだ。報告書の中で指摘はないが、Mig‐15とほぼ同時期に開発されたMig-17、及び、その中国版である瀋陽J-5、そして、1955年にソ連で就役したMiG-19、その中国版である瀋陽J-6も現役で稼働しているという情報もある。

Mig-29
Mig-29

Su-25、MiG-29は北朝鮮空軍の中でも最新鋭といえる機体だ。これらの機体はロシア空軍でも運用されており、旧ソ連の国では空軍の主力機体しても運用されている。ロシアの協力を得られれば修理、改修も可能だ。報告書ではSu-25が34機、Mig-29を18機、保有しているとされ、その内、Su-25が31機、Mig‐29が14機が2021年4月までに異なる場所に移動しており、3分の2の機体が戦闘状態であると結論づけている。

世界で唯一稼働するIl-28爆撃機

Il-28
Il-28

これらの戦闘機の他に、ソ連製のIl-28軽爆撃とその中国版であるH-5の存在も明らかにされている。Il-28はMig-15と同時期に開発された機体で、旧ソ連圏を始め多くの国で採用されたが、ソ連では1980年代に退役するなど数十年前に退いており、現役で運用しているのは北朝鮮だけとされている。推定80機を保有しているとされ、古いながらも対艦・巡航ミサイルと新しいプラットフォームを搭載して現役で戦力として稼働している。最近の演習にも参加しており、最近、32機が異なる場所に配置されており、少なくとも同数の機体が戦闘状態にあるとされる。

Mig‐15やIl-28は既に耐久年数を超え、パーツも無い事を考えると、事故や損傷などでこれらの機体は減少していくだけだと報告書は述べている。また、北朝鮮に航空機を生産できる技術が無い事を報告書は指摘、海外から購入、輸入しようにも現在、国連から経済措置と輸出管理を受けており、それはできない。これはつまり、北朝鮮の航空戦力は減少するだけになる。

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Source
https://www.iiss.org/blogs/military-balance/2021/06/north-korea-air-force-inventory

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