ロシアが発射した北朝鮮製ミサイルの約半数が空中で爆発

ロシアが発射した北朝鮮製ミサイルの約半数が空中で爆発

ウクライナ検事総長室は、2024年12月から2024年2月にかけてロシアがウクライナに向けて発射した北朝鮮ミサイルの残骸を調査した結果、約半数が大気圏で爆発するなどして、目標に達しなかった事を発表した。

ウクライナ、北朝鮮製ミサイル21発の残骸を調査 「半数が失敗」

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ロイター通信の報道によれば、ウクライナ検察当局は、2023年12月下旬から2024年2月下旬にかけてロシアがウクライナ攻撃に使用した北朝鮮製の弾道ミサイル約50発のうち21発の残骸を調べた。その結果、「北朝鮮のミサイルの約半数はプログラムされた軌道を逸脱し、空中で爆発した。このような場合、破片は回収されなかった」と検察官はロイターからの質問に対して回答している。着弾せず破片を収集できなかった場合は、飛行軌道や速度、発射地点を調べることで北朝鮮製と判断している。ウクライナ検事総長室戦争犯罪部門の責任者ユーリー・ベローソフ氏は今年3月に「北朝鮮の弾道ミサイルの品質は非常に低く、命中率はわずか約20%にとどまる」と述べるなど、北朝鮮製ミサイルの精度の悪さを言及していた。ロシアとしては端から北朝鮮製のミサイルにそこまで精度を求めていないとも推測され、ウクライナの防空ミサイルを消耗させれば良いと考えているとも推測される。

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弾薬不足に悩むロシアは昨年から友好国である北朝鮮から大量の弾薬を調達している事が明らかになっており、韓国は北朝鮮が2023年9月以降、300万発以上の砲弾を積んだコンテナ6,700基をロシアに送ったと発表。アメリカも昨年10月に北朝鮮が国連安全保障理事会決議に違反して9月にロシアに兵器を移転したと発表している。それらの中には弾道ミサイルも含まれており、アメリカ国家安全保障会議戦略広報調整官のジョン・カービー氏は1月4日の記者会見で、ロシアが12月30日と1月2日に北朝鮮製の射程約900キロの弾道ミサイルを使用してウクライナを攻撃したと述べた。ロシアがウクライナに対して北朝鮮製の弾道ミサイルを使用したのは12月30日の攻撃が初めてとされている。また、国連制裁監視団はウクライナ東部ハリコフ市に今年1月2日に着弾したミサイルの破片を調査し、それが北朝鮮の弾道ミサイル「火星-11」である事を確認している。

国連は北朝鮮が弾道ミサイルの発射や核実験を実施したことを受け、国連憲章に基づき、北朝鮮に対し、いかなる核実験・ミサイル発射も実施しないこと、大量破壊兵器関連物資等の輸出を禁止する「武器禁輸措置」を課し、すべての国連加盟国に対し、弾道ミサイルや核兵器等の大量破壊兵器に関連するあらゆる物資や技術及び資金の調達を防止する対応を求めているが、常任理事国であるロシアはそれを破っていることが国連によって正式に証明されている。

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