次世代の装甲車Arquus Scarabee(スカラベ)

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©ARQUUS

Scarabee(スカラベ)」。フランス語で黄金に輝くタマオシコガネ(フンコロガシ)こと黄金虫を意味するネーミングのこの車。フランス軍のVBL装甲車の後継の装甲車と目されており、他の装甲車には無い性能を持ち合わせた注目の軍用車だ。

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横移動もできる抜群の機動性

フランスのArquus(アルクス)社が開発するこの装甲車は2018年にプロトタイプが初公開された。サイズはVBLより少し大きいが、その汎用性、輸送能力、モジュール性ははるかに優れている。その中でも最大の特徴がとされるのが高い機動力だ。四輪駆動のScarabéeの前輪は従来のステアリングホイールで制御され、後輪はジョイスティックで制御する、それぞれ独立した駆動機構が採用されている。これにより前輪と後輪を別々に操作することができる。例えば前輪と後輪を同じ方向に曲げて走行すると車体は正面を向きながら斜め横にスライドしながら走行することができる。回転半径は最小に抑えられ半径5メートル以内で回転ができるなど通常の車ではできない走行方法が可能にる。これは瓦礫といった障害物が多い戦場では大いに役に立つ。運転は遠隔操作も可能で無人運転もできる。

車高は調整が可能でサスペンションが低い時は1.9m、高い時は最大4mまで高くなる。偵察やオフロード走行時には高く、輸送時や車体を隠したい時は低くするなど状況に応じて調整が可能というわけだ。ドアはスライド式なので狭い場所でも乗り降りが可能(従来のドアへの換装も可能)。ルーフトップも開閉できる。全てのドアは電動で操作できる。

高いステルス性

エンジンは、2つのLi-Ionバッテリーで駆動する300 hpエンジンと75 kWの電動モーターを備えたディーゼルエンジンのハイブリッドエンジンが搭載されている。電気モーターとディーゼルエンジンによる”ブースト”と”電動のみ”という2つのモードで走行が可能できる。電動のみであれば熱と音を最小限に抑える事ができ、停車時でもエンジンを駆動せずに全システムに電源供給ができ偵察任務を遂行できるなど高いステルス性を持つ。バッテリーは防水になり、完全に水に浸かっても使用できる。差し替えも簡単だ。

360度の視野

従来の約180°の直視に加えて、ドライバーが360°の視野を得ることができる2つのカメラを搭載している。

武装・装甲

ルーフトップには多くのオプションの追加が可能で12.7㎜機関銃や30㎜対戦車砲、グレネードランチャー、対空・対戦車ミサイル、レーダーなど任務に応じて装備を変更できる。武器の使用は射手が手動で扱う事も可能だが、車内から遠隔操作もできる。ミッションの危険性に応じてモジュール式の装甲キットを追加するこもできる。乗客をIDE(仕掛け爆弾)から守るための二重床も設置できる。

キャパシティ

©ARQUUS

車高1.8メートル、幅4.5メートルの4人乗り。車体重量は6.6トンで、ペイロードを含めると最大8トン。フランス軍の輸送機であるエアバスA400Mに3台搭載できる。

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https://www.arquus-defense.com/arquus-presents-its-scarabee-very-first-time-paris-air-show

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