オーストラリア政府は10月、オーストラリア国防軍 (ADF) の次世代の小火器の取得と供給を開始するためのプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは”Lethality System Project (LAND 159) ”と呼ばれるもので、Tranche 1/2/3と3つのフェーズに分かれており、今回は最初のTranche 1になり、5 億オーストラリア ドル (約461億円) 以上を掛けてスナイパーライフル、ハンドガン、ショットガン、個人用防衛兵器(PDW)、ファイティングナイフ、アンチマテリアルライフルを一新します。
計画を進めるにあたり、銃器の調達をクイーンズランド州に本社を置くNIOA社に委託。現在から2020年代半ばまでの間に、NIOAは様々な業者を使って、ADFに新しい銃器、光学機器やサプレッサーと付随するアクセサリーを調達します。
銃器は既に決定しており、NIOAの武器と弾薬の専門家は、連邦プロジェクトチームと協力して、銃器、アクセサリー、弾薬を含む649の製品を評価。31,000発以上の弾薬を使用して銃器を選定しています。
コンバットナイフ
オーストラリアのメーカーZU Bladeworx社のダブルエッジナイフを選択。黒い両刃のナイフはA2鋼製の100mmの刃を持ち、滑り止めのグリップとフィンガーリングを備えています。
ハンドガン
”ブローニング・ハイパワーMk3”に代わる拳銃として採用されたのがアメリカのSig Sauer社製の”SIG Sauer P 320 XCarry Pro”です。米軍も標準拳銃として採用する銃で、マイクロサイト、イルミネーターが付属します。
ショットガン
イタリアのメーカーBenelli社製の”ベネリM3A1”を選択。12ゲージのショットガンで7発装填、セミとポンプアクションで操作します。ドットサイトとイルミネーターが付属します。
PDW
ハンドガンと並んでSig社の”SIG Sauer MCX”を選択。口径は7.62×35mmの.300 AAC Blackoutを採用、5.56mmと同じ装弾数を維持しながら、威力が増しています。銃自体は軽量でコンパクト、モジュール化されており、主に車両乗員に配備されます。
スナイパーライフル
イギリスのメーカーAccuracy International社製のAXSRを選択。最近流行のマルチキャリバーになり、.338ラプア・マグナム、.300ノルマ・マグナム、7.62mm NATO口径に換装でき、様々な状況に対応できます。
また、スポッター用の観測機器としてフランスのSafran社製の”サフランJIMコンパクトマルチスペクトル監視装置”と”スタイナーレーザー測距双眼鏡”も合わせて選択しています。
アンチマテリアルライフル
アメリカのBarret社製の対物ライフル”M107A1”を選択。世界的に有名なM82の改良モデルで軽量化、反動を抑制するなど近代化されています。光学機器、暗視装置などが付属します。
今回の銃器の更新には主力小銃(アサルトライフル)は含まれていません。更新規模では最も大きいとされるアサルトライフルの更新は次フェーズのTranche2、2024/25年に予定されています。
画像:オーストラリア国防省
Source
https://news.defence.gov.au/media/media-releases/adf-signs-next-generation-weapons