ENVG-Bナイトビジョンはこれまでにない視界を提供する

ENVG-Bナイトビジョンはこれまでにない視界を提供する

米陸軍がテストを進めている最新型のENVG-BナイトビジョンENVG-B越しに見える視界はこれまでのナイトビジョンとは異なる革新的な視界を射手に提供し、その世界はまるでゲームのようで話題になっている。

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ENVG-Bナイトビジョン

ENVG-Bナイトビジョン
Photo US Army

イスラエルのElbit Systemsの子会社ElbitSystemsofAmericaが開発したENHANCED NIGHT VISION GOGGLE – BINOCULAR (ENVG-B)は微量な光を増幅させる光増幅装置式のナイトビジョン機能と、熱と物体が出す光で映像化する赤外線サーマルカメラの二つで構成されており、すべての照明条件、気象条件下で視界および監視する能力を兵士に提供する。光増幅装置とサーマルカメラを1つのディスプレイ上に組み合わせており、兵士は状況に応じて光増幅モードとサーマルカメラモードのいずれかを選択することができる。暗闇であれば光増幅モード。煙、霧、砂嵐のような視界困難な状況ではサーマルカメラ、または両方のモードを同時に使用することができる。これまでのナイトビジョンは主に夜間や暗闇の中でしか使用する機会はなかったが、サーマルカメラがあることで日中の視界不良時にも使用でき、あらゆる状況で良好な視界を確保することができる。また、光増幅のみだと静止した人間を見極めることは難しかったが、サーマルカメラと合わせて使うことで温度差で人間と植物、障害物を見極めることができる。
高解像度の立体視ディスプレイは、背景からのターゲットの分離を改善することにより、より高速なターゲット捕捉を可能にする。また、ENVGを通して見える映像は従来の緑色の代わりに、より高解像度の白色を使い、これにより、より良いコントラストを提供する。

150~300mの距離で人間の80%を認識。300~550mの距離で50%を認識する。

アウトラインモード

ENVGにはいくつかビジョンモードがあり、その内の一つに「アウトラインモード」というものがある。これを使うと人や対象の輪郭をはっきりと映し出すことができ、まるでゲーム映像のような視界が兵士に提供される。この他にも赤と灰色の色合いで、昼間のように見えるようなモードもある。

FWSサイトとの連携で眼で照準を合わせる必要がない

ENVG-BはFAMILY OF WEAPON SIGHTS(FWS)と呼ばれるサイトと連携することができる。FWSはM16、M4カービン、M249機関銃に装着可能な非冷却型の赤外線と熱画像技術を使ったライフル用ナイトサイトで個人用のFWS Individual (FWS-I) と車載兵器用の FWS Crew Served (FWS-CS)、スナイパーライフル用のFWS Sniper (FWS-S) の 3 種類がある。FWS-Iは夜間で最大1200m先の人間を捉えることができる。ENVG-BとFWSは無線通信が可能で、FWSで捉えた映像はヘルメットに取り付けられたENVG-Bへ無線送信され、ENVG-Bのレンズ上に投影される。つまり、サイト(銃口)が標的を的確に捕えているかどうかをサイトを覗き込まずに知ることができ、迅速な対応、発砲を可能にする。これにより常に目線上に銃を構える必要がなくなるので疲労を軽減できる。また、ライフルだけを壁越しに出して、壁の向こう側の状況を確認したり、体を晒さずに狙って発砲することができ、兵士の隠蔽率、生存率を上げることにもつながる。

関連記事:エルビット・システムズが米海兵隊と新しい双眼ナイトビジョン(SBNVG)の供給を契約

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https://asc.army.mil/web/portfolio-item/enhanced-night-vision-goggle-envg-b/
https://asc.army.mil/web/portfolio-item/fws-i/

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