ソフトバンクグループ傘下で高機能ロボットを開発する米国Boston Dynamics(ボストンダイナミクス)が犬型の4足歩行ロボット「Spot(スポット)」の販売を一般向けに開始した。
犬型の四足歩行ロボットは米軍も研究を進める領域になり、ボストンダイナミクスは国防高等研究計画局 (DARPA)の支援のもと、ビッグドッグと呼ばれるロボットを開発しており、この分野では世界をリードする企業になる。
今回発売されたSpotは昨年から限られたユーザーにのみ発売されていたが、今回はオンラインから誰でも購入できる形になる。EXPLORER(エクスプローラー)、ENTERPRISE(エンタープライズ)、ACADEMIC(アカデミック)の3つのモデルがあり、値段が広報されているエンタープライズで$74,500(800万円)になる。
ペットではない
犬型ロボットというとソニーの「aibo(アイボ)」を思い起こさせるが、アイボとは全く異なる。まるで動物のような動きと反応を示すが、アイボのように感情を示すわけでもない。自律走行を行うがAIではなく、センシングとプログラミングによって行動する。大きさは全長110cm、高さ84cm、重量は32.5㎏と大型犬なみだ。基本的には産業用として設計されており、家庭用には作られていいないのでペットで買おうと思わないことだ。
業務用として買おう
Spotはさまざまな地形を素早く移動できるように設計された4本足のロボットになる。これまで、ロボットや車両で通ることが難しかった、階段を昇り降りしたり、障害物を越えたり、山道のようなオフロードを走行することができる。Spotは車輪付きロボットが移動できない場所を移動するように設計されている。また空中ドローンでは難しかった重量(最大14㎏)の荷物を運ぶことができる。移動は自律走行とオペレーターがリモートで操作する。360度のビジョンカメラを備えているため、周囲で起こっているすべてのことをリアルタイムで確認でき、直ぐに対応できるのとロボット自身が障害物を回避し、仮に倒れても自律して立ち上がるのでロボットが動けなくなる心配がない。時速は5.76km/hと人間の通常歩行よりも早い。
カスタマイズ・アドオンが可能
さらに重要なことは、SDKを使用してプログラムできるので業務に合わせてアクションをカスタマイズしたり、センサーを追加、ハードウェアを拡張することができる。アドオンパーツも発売されている。
何に使う
警備犬として家や施設の周辺をパトロールさせたり、車両が通れないような場所に荷物を運搬したり、人が入れない場所に入ってのデータ収集、他にも牧羊犬として使うというアイデアもある。日本の鹿島建設は土木現場にSpotを導入している。他にも案内犬などいろいろ使い道はありそうだ。