Bretta(ベレッタ) APXはイタリアを代表する銃器メーカーのベレッタ社が開発製造するモジュラー式の半自動拳銃です。昨今の主力拳銃の選定には大抵上がる銃の一つで、陸上自衛隊の新拳銃の選定の際も候補に上がっていました。Bretta APXについて紹介します。
米軍のXM17のために開発
APXは米軍が進めていた次期主力拳銃を選定するXM17モジュラーハンドガンシステム(MHS)の為に2016年に開発が始まりました。米軍はそれまで同社のM9(ベレッタ92)を主力拳銃として採用していたこともあり、続けて契約を取りたいところでしたが、SIG社のP320に敗れ、P320がM17・M18として米軍の正式拳銃として採用されます。敗れはしたものの、ベレッタUSAによってAPXは製品化され、2017年にアメリカの民間市場に投入されます。
スペック
APXは最近の拳銃の流れを汲んだパリマーフレームにハンマーレスのストライカー式の半自動拳銃です。MHSの要件に合わせるように開発されたため、基本性能は高く、様々な手のサイズに合うピストルグリップ、両利きに対応できるアンビシステム、銃口下部にはライトなどが装着できるレールシステムに銃口にサプレッサーが装着できます。モジュラー式を取り入れており、交換可能なグリップ後部のバックストラップに、口径は基本の9×19mmの他に、9×21mmIMI、.40 S&W口径に変更できます。APXは”AdvancedPistolX”の略で”X”は口径を指しており、変更可能な事を意味しています。装弾数は9mmで最大17発、.40 S&Wで10発になります。カラーリングはブラックの他に、タンカラー、オリーブ、グレイなどが用意されています。
コンパクトモデルやマイクロサイトが装着可能なAPX COMBATなどバリアントも複数でています。
イタリア軍が採用を検討中
APXは発売後直ぐはあまり売れ行きは良くなく、期待した軍や法執行機関からの大口の注文はしばらくありませんでした。しかし、2019年にポーランド国家警察が4,600丁、2020年12月にはブラジル警察と159,000丁もの大口契約を結びます。そして、ベレッタの本社があるイタリアの陸軍もAPXの採用を検討しており、2021年4月から運用検証が始まっており、軍の使用要件に対する銃の適合性を検証しています。