昨年11月にカナダ軍のエリート特殊部隊のテロ対策ユニットJTF-2(Joint Task Force-2)が使用するSIG Sauer P320ピストルが暴発して隊員が負傷し、P320の使用を停止していることをカナダ国防省がカナダメディアに公表した。
ホルスター装着時に暴発
カナダ国防省はJTF-2の古くなったSIG P226の後継としてSIG Sauer社のP320を採用、2017年には450万ドルの契約を締結し、JTF-2へ配備されていた。
2020年11月5日、ドワイヤーヒルの射撃場での訓練中に、JTF-2の隊員のホルスターに納めされたP320が突然暴発して、隊員が脚を負傷、幸いにも軽傷であったものの、その事故を受け、カナダ軍はすべてのP320の使用を停止させ、JTF-2のメンバーは、当面の間、古いモデルのSIG SauerP226ピストルの使用を強いられることになった。
国防省は現在、事故の原因について調査中としている。
事故の原因はホルスター?
SIG P320は過去、スライドの背面が33度の角度で地面に落下すると、暴発するという欠陥が分かり、採用していたダラス警察が2017年7月に使用を停止している。これを受けて、SIG社は全てのP320をアップグレードすると公表したが、複数の訴訟をうけている。
しかし、今回の事故の原因は別にあるようだ。今回の報道を受けて、SIG社は声明を出しており、その中で事故の原因について言及している。
SIG社の発表によると、JTF-2の隊員はP320用に設計されていない誤ったホルスターを使用、P226用のホルスターに納めていた。改造されたP226ホルスターを使用すると、異物がホルスター内に侵入して暴発など、危険な状態を引き起こす可能性があるとSIG社は声明の中で述べている。事故原因は調査中であり、ホルスターが原因と断定されたわけではない。
現在、カナダ軍では古くなったFN ブローニング・ハイパワーに代わる拳銃として2万丁、総額5000万ドルのプロジェクトをすすめており、その入札が迫る中で数カ月前のニュースがこのタイミングでリリースされたことにSIG社は以下のように述べた。
この事件は数ヶ月前に起きたものであるが、この誤った報道は、我々の競合他社を含む複数の情報源によって推進されており、他のカナダ軍や法執行機関の入札が間もなく発表される時期と重なっており、その発表のタイミングが調達に不適切な影響を与える試みであることを示している。
SIG Sauer P320とは
SIG Sauer P320はSIG社によって2014年に発売された。ベースは9×19mm拳銃だが口径を簡単に交換することができ、40S&W弾、.45 ACP弾など異なる弾丸も使用できる。従来のハンマーストライク式とは異なる発射メカニズムを利用するモジュラー設計のピストルで最も近代化されたハンドガンであり、2017年には米軍にも採用。米軍内ではM17、コンパクトモデルはM18と呼ばれている。米軍モデルは改良されており、別のバレルには換装できず、トリガーの設定や部品も変更されている。
[adcode]army.milSIG M17は米陸軍と米空軍が行った新しい正式拳銃を決めるXM17モジュラーハンドガンシステム(MHS)競争において、既存のベレッタM9、SIG M11に変わる正式拳銃として2017年に採[…]
SIG Airsoft/VFC P320-M17 ガスブローバックピストル (Official Licensed)
Source
https://www.cbc.ca/news/politics/special-forces-pistols-1.5897942