中国人民解放軍の第五世代戦闘機J-20(殲-20)のチーフデザイナーであるヤンウェイ氏は米空軍の第5世代戦闘機F-22はヨーロッパの空中戦闘用に設計されたものであり、アジア太平洋地域においては戦闘力が制限されると中国メディアに語っています。
F-22とは
F-22は世界初の第五世代ステルス戦闘機で2005年より米空軍に配備されており、同じ米軍の第5世代戦闘機F-35よりも運動性能が高くドッグファイトに関しては世界最恐といわれていますが、あまりにも高価なため、現在、生産は中止されており、200機しか現存していません。
J-20とは
J-20は中国初の第五世代ステルス戦闘機で人民軍最新の戦闘機。初飛行は2011年、2017年に運用が開始されていますが、量産は2020年度から予定しています。他の第5世代と比べると機体が大きいが運動性に優れ、ステルス性能は米軍のF-35に匹敵すると中国はいっています
F-22はアジア大洋地域でパフォーマンスが発揮できない
ヤンウェイ氏はメディアのインタビューの中でF-22を1965年から1973年までベトナム戦争に参加したF-4ファントムII戦闘機(写真下)のようなものであると指摘します。彼は「Journal of Aeronautics」で発表された論文で、F-4は対ソ連のためにヨーロッパでの戦闘を想定して設計された機体であり、ベトナムの複雑な環境と政治的・軍事的制約により、F-4はその高速性能と無視界戦闘能力を発揮できなかったと述べています。F-22の検討が始まったのは冷戦時代の1980年代です。ヤンウェイ氏はF-22もヨーロッパでの戦闘用に設計されたものであり、アジア太平洋地域での展開を想定しておらず、同地域に配備してもベトナム戦争と同じ問題に直面する可能性があると指摘しています。
香港の軍事評論家であるソン・ゾンピン氏は、J-20の最大の利点は開発がF-22より遅かったことだと指摘しています。これは、J-20の設計者がF-22を基に同機の欠点やそれ改善する方法する時間があったことを指摘しています。J-20の設計者はF-22と対戦相手、F-35を戦術的な敵機として想定し、より実用的で強力な戦闘機を設計しました。
※J-20はF-22、F-35のリバースエンジニアリングであり、露骨な知的財産の侵害を指摘されています。
F-22とJ-20はどちらも最高速度はマッハ2を超えています。しかし、F-22は射程が短く、熱探知できる赤外線追尾機能がありません。これはレーダーに映らないステルス戦闘機同士の戦闘では致命的です。
しかし、J-20にはまだ実戦経験がほとんどなく、実際の能力は不明です。その点、F-22は2005年の配備以降、中東で多くの実戦を積んでいます。J-20の量産化はこれからであり、まだ機体数は20機にも満ちません。F-22はグアム基地、東京横田基地、嘉手納基地などに配備されています。
第5世代戦闘機は現在の世界の最先端の戦闘機になり、最も優れた航空機でもある。そんな第5世代戦闘機の特性はステルス技術になり、平らで突起物の無い滑らかなボディはレーダー反射を低減し、特殊な形状の排気ノズルは赤外放射を低減する。また、[…]