海上試験間近の中国の最新空母「福建」、飛行甲板に艦載機が確認される

海上試験間近の中国の最新空母「福建」、飛行甲板に艦載機が確認される
SNSより

中国の最新空母「福建」の海上試験が間近と報じられている中、福建を空撮した最新画像がSNS上に公開された。甲板には複数の機影が確認され、福建に搭載される艦載機の詳細が明らかになった。

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画像を確認する限り、甲板上の製図作業がほぼ完了している事が分かり、滑走ライン、駐機エリア、離着陸マークがはっきりと確認できる。そして、甲板上には艦載機とされる4機の機影が確認できる。これら実寸サイズの模型とされているが、福建に搭載される予定の艦載機も明らかになった。確認された機影はJ-15艦上多用途戦闘機、第5世代戦闘機のJ-35ステルス戦闘機、そして、KJ-600早期警戒機と推測される。J-15は2機が確認されたが、1機は電子戦型で、もう1機は標準型とされる。

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J-15

J-15多用途戦闘機は中国の空母建造計画のために2000年代に開発が始まった機体で中国初の艦載機モデルでアレスティング・フックと折りたたみ式の主翼を備えている。同機はロシアのSu-33艦上戦闘機を無許可でコピー、リバースエンジニアリングする形で開発しており、国産のアビオニクス、エンジンを搭載。2014年から運用が始まっており、既に遼寧、山東の両空母に搭載、運用されている。AESAレーダー、電波吸収体など装備し、中国は同機を第4.5世代戦闘機と評価している。米海軍の主力戦闘機であるF/A-18スーパーホーネットよりも早く、多くの燃料を搭載できるため、より早く、遠くに目標空域に到達できるが、母艦とする遼寧、山東の両空母がスキージャンプ式の飛行甲板であるため、離陸重量を軽くする必要があり、搭載燃料や兵装が制限されていた。福建の電磁式カタパルトであればこれらの制限が無くなることが見込まれている。福建に搭載される機体はカタパルトバーを備えた最新のJ-15Bになり、第5世代アビオニクス、AESAレーダー、ステルス コーティング、最新の短距離空対空ミサイルPL-10および長距離空対空PL-15ミサイルを搭載する。

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J-35

J-35は艦載機仕様の第5世代ステルス戦闘機で、検証機として中国瀋陽飛機工業集団が自費開発したJ-31をベースに艦載機仕様にアレスティング・フックやカタパルトバーと折りたたみ式の主翼を採用した機体。艦載機仕様は2021年10月に初飛行を達成しており、現在、福建の艦載機、量産化に向けて開発が進んでいる。アメリカのF-22ラプターやF-35ライトニングIIに似た外観を持ち、これらを模倣しているとされるが、その性能と能力についてはまだ詳細が明らかにされていないが、ペイロードは米海軍のF-35Cに匹敵する8000kgで内部ウェポンベイには2000kg、4発の中距離空対空ミサイルが搭載できるとされている。

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KJ-600

KJ-600は福建に搭載するために開発が進む早期警戒機(AEW&C機)になり、円錐形のレドームを胴体の上部に搭載、空中から敵機やミサイルの動きを監視し、潜在的な脅威を早期に検出し、航空機や艦艇に情報を共有する。この早期警戒機の運用能力が福建がこれまでの中国の空母とは一線を画す船であることを示している。強力なセンサーとレーダーシステム、電子機器を搭載する早期警戒機は戦闘機と比べ、大型で重量もあるため、スキージャンプ式の飛行甲板を採用する遼寧、山東では運用できなかったが、電磁式カタパルトを採用する福建では運用可能となる。早期警戒機は中国海軍空母打撃群の作戦能力、空中監視能力を大幅に向上させることになる。

2022年6月に進水した「福建」は海上公試へ向け、2023年3月から港で”係留公試”を行っており、同年11月には電磁カタパルトの試験を行っているのも確認されていた。2024年度中に海上公試が開始される予定だ。

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