中国人民解放空軍と海軍が運用する国産のJ-7戦闘機は2023年内に全機退役し、新しい機体に入れ替えられる見込みです。
中国国営メディア「環球時報」の29日の報道によれば、中国軍は近年、第4世代以降の戦闘機の量産を急速に進めているため、2018年以降、旧式化したJ-7戦闘機の退役を加速させており、今年中には全機退役する可能性があると報じました。
J-7戦闘機とは
J-7はソ連のMig-21戦闘機をコピーする形で中国によって1960年代に開発された第2世代戦闘機で人民解放軍初の国産超音速戦闘機です。性能としてはMig-21とそん色はなく、高度2万mを最大速度マッハ2の超音速で飛行、これは冷戦が終わるまで、中国軍機の中では最も高い飛行高度と速度を誇っていました。2000kgのペイロード、全天候型で制空、対地攻撃双方で使用できる多用途戦闘機は中国空軍と海軍に採用されています。古い機体ではありますが、生産自体は2013年まで生産され、何度か近代化改修も行っています。2021年6月にはJ-16とY-8哨戒機と共にJ-7が台湾領空に侵入したことが確認されています。
しかし、中国軍は現在、第4世代戦闘機のJ-10やJ-16、第5世代ステルス戦闘機のJ-20の量産を急ピッチで進めており、特にJ-16、J-20は年間生産数が数十機に上り、2015年に就役したJ-16は245機以上、2017年に就役したJ-20は200機以上がこれまでに生産されたとされています。これら新しい機体の配備が進むに連れ、旧式モデルのJ-7は退役が進んでいます、おそらく今年も三桁ほどの新鋭機の生産が見込まれており、残り少なくなったJ-7は全機退役するのでは推測されています。
中国軍は最大1000機のJ-7を所有していました。退役した機体の多くは未だ飛行可能とされており、多くは中国軍内で訓練機や無人化して標的機として使用、その応用としてドローン兵器としての活用も検討されています。バングラディシュやスリランカ、ミャンマーなど、他の採用国では未だ運用は続いており、これらの国では安価に手に入る戦闘機として未だ需要があり、海外へも輸出されています。
Source
China expected to retire legacy J-7 fighter jets from combat service in 2023