イスラエルの新しい防空システム「アイアンビーム」がロケット弾と迫撃砲弾の迎撃に成功

イスラエルの新しい防空システム「アイアンビーム」がロケット弾と迫撃砲弾の迎撃に成功
Rafael Advanced Defense Systems

イスラエルの防空システムというと防空ミサイルの「アイアンドーム(Iron Dome)」が有名ですが、そこに新しい迎撃システム「アイアンビーム(Iron Beam)」が加わろうとしています。

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イスラエル政府と同国の軍需企業ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズは、「アイアンビーム」と名付けられたイスラエル製のレーザー防衛システムが、最近のテストで迫撃砲、ロケット、対戦車ミサイルやドローンなどの空中から迫る脅威の阻止に成功したことを発表しました。アイアンビームは”指向性エネルギー兵器システム”と呼ばれる兵器になり、高出力のビームを標的に照射して、起爆させたり、内部の電子機器を破壊することで無効化します。これまでドローンの無効化には成功していましたが迫撃砲、ロケット弾、ミサイルといった砲弾と高速飛行体の迎撃の成功発表は初めてとなります。

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アイアンドームより高コスパ

イスラエルの防空システムというと防空ミサイルの「アイアンドーム」が有名です。世界で最も優れた防空ミサイルの一つで、90%という高い迎撃率を誇り、2021年5月にパレスチナから撃ち込まれたロケット弾をアイアンドームが片っ端から迎撃する様子がSNSで拡散され一躍有名になります。優秀な兵器ではありますが、難点としては発射可能数と高コスパという点です。アインドームは1基あたり20発のミサイル装填していますが、撃ち終われば数十分かけて再装填するか新しいランチャーを配置しなければなりません。コストについてはミサイルの単価は公表されていませんが、誘導弾は高価であり、1000発のロケット弾を迎撃するのに必要なコストは4000万ドルといわれています。それに対し、パレスチナの放ったロケット弾の単価は安いもので一発あたり500~600ドルと費用対効果が悪く、パレスチナ側は多くのロケット弾を撃ち込むことができます。

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アイアンビームの単価は僅か3.5

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それに対し、アイアンビームレーザー1ショットあたりの単価は何と僅か”3.50ドル”です。ロケット弾よりも迫撃砲弾よりも格安です。さらに弾薬なような物理的なものではないので、エネルギーが続く限り、ショット数は無限であり、電源供給可能な都市部や基地であれば必要エネルギーが枯渇することはありません。スタンドアローンでも運用は可能です。照射範囲は不明ですが、技術的には面での照射も可能と思われます。

イスラエルは1年以内にこのシステムの使用を開始すると述べています。

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イスラエルの新しい防空システム「アイアンビーム」がロケット弾と迫撃砲弾の迎撃に成功
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