角や壁の向こう側をクリアリングするのは常にリスクと危険が伴います。もし角を曲がった先に敵が待ちかまえていれば覗き見た瞬間に「パンッ」と額を撃ち抜かれるかもしれません。しかし、コーナーショット(CornerShot)があればそんな危険を冒さずに標的を攻撃することが可能です。
銃が60度に曲がる
SWATなど法執行機関の特殊部隊は狭い建物の中に突入することが多く、部屋に突入する時やコーナーを曲がる時が最も危険です。コーナーショットはそんなシーンで部隊が隠れながら標的を撃てるように設計された銃フレームです。
発射機構の無いフレーム
この銃は2000年代初頭にアメリカの投資家の支援を受けてイスラエル国防軍の対テロユニット司令官Amos Golan中佐によって開発されました。
この銃自体に発射機構はついておらずフレーム、コンバージョンキットになります。前方のフロントフレームの中にGlock、Beretta 92といった拳銃を取り付けます。拳銃を取り付けたフロントフレームは左右60度に曲がることでき、コーナーを覗き見ることなく銃口が敵を捉えます。フレームは固定することができるので曲げずに通常の銃のように使うこともできます。
カメラ映像で確認
フロントフレームの下部にはカメラとライト、レーザー照準器が取り付けられています。カメラがとらえた映像は後ろのバックフレームに取り付けられた液晶にライブ表示されます。カメラ映像とレーザーによって標的へ照準を合わせます。カメラには暗視機能があり、暗闇でも問題ありません。録画機能もついています。
トリガーはBluetooth
拳銃はフロントフレームにあるので曲げればトリガーは引けません。そもそもトリガー部分がフレームに埋もれる形になるので、曲げていなくても拳銃のトリガーは引けない状態です。しかし、バックフレームにもトリガーが付いています。これがフロントフレームとBluetooth通信で繋がっており、バックフレームのトリガーを引くとフロントの銃のトリガーも引かれるという仕組みです。カメラと無線トリガーにより射手は自分の身を晒すことなく安全な状態で射撃が可能になります。
対応拳銃
Glock17、18、19、22、23
SIG 226、228、229
FN Five-seveN
HK USP
Browning Hi-power
Beretta
バリアント
拳銃以外にもアサルトライフルのARPモデル、グレネードランチャーのグレネードモデル、対戦車パンツァーファウストのCSPモデルがあります。そして、猫に擬態したKittyモデル。猫が鳴いた時には標的はもう倒れています。
コーナーショットが登場する映画
コーナーショットは映画やドラマに度々登場しており、代表的な作品としては暗殺者をテーマをにした『ウォンテッド(Wanted)』(2008)という作品です。この中でアンジェリーナ・ジョリー演じる暗殺者がコーナーショットを使っています。
発売当初は法執行機関向けのみの発売だったが、現在は民間モデルもでています。 フレーム自体は銃ではないので、エアガンにも使えそうです。