ネイビーシールズの選抜訓練に重大な問題点

ネイビーシールズの選抜訓練に重大な問題点
US Navy

アメリカ海軍は海軍選抜訓練でのカイル・マレン氏の死亡を受けて行った調査でネイビーシールズの訓練生は訓練コースの中で死亡または重度な負傷を負うリスクが高いという報告書を発表した。

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世界最高の特殊部隊の一つであるアメリカ海軍のNavy Seals(ネイビーシールズ)。隊員になるためには18カ月にも及ぶ、過酷な選抜訓練を突破しなければならない。特に基礎水中爆破訓練の4週目に行われる「Hell week(地獄週間)」は最も過酷と言われ、寒くて湿気が多く、睡眠時間が4時間にも満たない、過酷な訓練が5日半にわたって行わる。ヘル ウィークでは、身体的持久力、精神的な強さ、痛みや寒さへの耐性、チームワーク、態度、高い身体的および精神的ストレスや睡眠不足の下で任務を遂行する能力がテストされ、何よりも、シールズ隊員になりたいという決意と意欲が試される。米軍の中でも最も厳しいと言われるヘルウィークを乗り越えられるシールズ候補生はわずか25%のみだ。だが、そんな過酷な訓練は過度な負担をかけるため、訓練生を危険に晒すこともある。そこで、起きてしまったのが2022年2月のカイル・マレン氏の死亡だ。

カイル・マレン氏はヘルウィーク期間中に呼吸器疾患の診断を受け、数日間、呼吸や体調悪化に苦しんだが、彼は訓練から外されることを恐れ、繰り返しの検査を拒否した。ヘルウィーク終了後、マレン氏は兵舎で休むことを許可されたが、体調が悪化。呼吸困難に陥るも、呼吸器疾患である診断結果は担当医官に共有されておらず、その後、緊急搬送されるも手遅れで死亡した。死因は肺炎、24歳でした。

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ヘル ウィークでは多くの訓練性が過酷な訓練で負傷や体調悪化に陥るが、訓練生の多くは検査や治療、入院を拒否する。受ければそれはリタイアを意味するからだ。訓練には医官や衛生兵も就いており、訓練生の体調を監視しているが、よっぽどのことが無い限り、介入はしない。海軍の報告書では海軍選抜訓練の医療プログラムは「完全に不完全」と言及。同報告書は、指導者による不十分な監督、リスク評価の欠如、医療プログラムが「継続的、効果的な医療監視やケアを確保するための訓練、組織化、統合、訓練がされていない」こと、パフォーマンスを向上させる薬物の使用などの問題点を指摘した。

報告書はまた、訓練の強度が増したために中退率が異常に高くなったことを指摘。マレン氏が参加したヘルウィークは当初58人で開始したが、終了時に残っていたのはわずか21人だった。訓練指揮官のブラッド・ギアリー大尉は、脱落率が高いのは現世代の精神的なタフさの欠如によるものだと指摘しており、彼が着いてからは脱落率が上昇していた。ギアリーの直属の上官であり、当時カリフォルニア州コロナドにある海軍特殊戦センターの司令官であったブライアン・ドレクスラー大尉は、同プログラムの上級医官とともに、監視が不十分であったとして名指しされ、その後、3人とも同職を離れた。

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Source

Navy Report Details Problems With Brutal SEAL Course – The New York Times (nytimes.com)

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