ロシア空軍にはもう飛べる機体がない?最新鋭のSu-57をウクライナに投入する意味

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ロシアの最新鋭第5世代ステルス戦闘機であるSu-57がウクライナでの戦闘に参加したことが初めて確認されました。Defense Expressの報道によれば、ロシアのSu-57戦闘機は、ウクライナにミサイル攻撃を行うために2度使用されたとされます。しかし、それらの攻撃は撃墜されるリスクが少ない安全な空域からによるものでした。

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ロシアの最新鋭機であるSu-57はこれまでもウクライナの戦闘に参加していると噂があり、Su-57とされる映像も出回っていましたが、ステルス機であり、数機しかないSu-57を識別可能な低空で飛行させることは携行式対空ミサイルに撃墜されるリスクが高く、撃墜されるものならロシアの最新軍事技術が西側に渡ることになります。実際、ウクライナで撃墜されたロシアの第4++世代戦闘機Su-35は分析のためにNATOに送られたとされています。そのような運用方法はまずありえず、Su-57の投入の事実は確認されていませんでした。

報道によれば4月8日にSu-57はスタンドオフミサイルを使用して、ウクライナの防空システムから撃墜されるリスクの少ないロシアの領域からキロヴォフラートの標的とオデッサの港を攻撃したとされます。使用されたミサイルは最大射程300kmのKh-59空対地ミサイルになり、攻撃地域から察するにおそらく、クリミア半島の周辺域から発射されたものと思われます。Kh-59は黒海艦隊の旗艦モスクワを撃沈した巡航ミサイル「ネプチューン」のベースとなった空対地ミサイルで、1970年代後半から80年代に開発された古いモデルですが、何度か改修が施され最新鋭機のSu-57とも互換性があります。

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ステルス機の意味のない運用

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ステルス機はRCS(レーダー反射断面積)が小さく、レーダーに検知されにくい見えない機体で、他の機体と比べ迎撃リスクが低く、標的まで接近して先制攻撃することが可能な機体です。しかし、今回、Su-57はウクライナの防空システムが及ばない、安全な空域から攻撃を行ったとされます。更にKh-59はSu-57のウェポンベイに収納できないため、Su-57のステルス機能自体も失われます。であれば、わざわざ貴重なSu-57を使用する必要はなく、他の機体でも構わないはずです。Kh-59はSu-24、Su-27、Su-30でも運用できます。しかし、Su-57を使用したということはロシア空軍の消耗、稼働率の低下が伺えます。

ロシア空軍は1200機ほどの戦闘・攻撃機を保有しているされていますが、そもそも稼働率が低い上に装備充足率も低く、機体同士で足りない部品を共食いしている状況とされています。米空軍の稼働率が70%程度とされ、ロシア空軍はその半分以下とされます。稼働率の低下は2014年にクリミア侵攻して経済制裁を受けてから顕著になっています。さらにウクライナ軍の発表によれば、ロシア空軍は侵攻開始から4月20日まで171機もの機体を失っています。更に今回の経済制裁により、整備部品の調達が滞っているとされ、機体整備や修理が追いついていない状況が考えられ、これまで戦線に投入して消耗した機体が飛べない状態なのではと推測されます。ロシア空軍は最近、友軍への誤爆を防ぐために投入を控えてきた戦術爆撃機も投入しています。飛べる機体が少なくなる中、新しく、比較的状態の良いSu-57を引っ張り出さざる負えなかったのではと推測されます。

Su-57は量産は始まっていますが、プロトタイプを除くと空軍に納入された量産タイプは3~5機のみとされています。しかし、それも、このまま経済制裁が続けば飛べなくなる可能性があります

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Source

https://en.defence-ua.com/weapon_and_tech/russia_used_its_newest_su_57_stealth_fighter_to_bombard_ukraine_with_aging_soviet_era_kh_59_missiles-2597.html

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