ドアガンナーの仕事は撃つだけじゃない

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撃つだけじゃない!ヘリのドアガンナー
Photo by us army

ブラックホークやチヌークといった軍用輸送ヘリのドア付近には大抵、機銃を構えた兵士がいる。ドアにある機銃は「ドアガン」と呼ばれ、それを操る兵士は「ドアガンナー」と呼ばれる。ドアガンナーの主な仕事は機銃を操ってヘリを守り、地上の敵を攻撃することだが、仕事はそれだけではない。射撃以外にも様々な役割がある。今回はドアガンナーについて紹介する。

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ドアガンナーの歴史

ドアガンナーが最初に登場したのは1960年代のベトナム戦争。実用的な量産型ヘリコプターが登場したのが1950年代になり、ヘリが戦場に本格投入されたのはベトナム戦争が初だった。ベトナム戦争ではヘリは主に輸送目的で使用され、ヘリで兵士が戦地に降り立つヘリボーンは、この時初めて戦術として取り入れられる。この頃、使用されたのがベトナム戦争映画でよく見る多用途ヘリUH-1 イロコイ(写真上)だ。UH-1は最大10人の兵士を乗せてることできた。ヘリは飛行機と違い滑走路もいらず、小回りがよくホバリングができ、どこへでも物資と兵士を輸送可能にしたが、飛行機と比べ低速で低空を飛ぶため地上から狙われることが多かった。そこで自衛の為にドアにM60機関銃を取り付けることにした。これがドガガンナーの始まりとなる。開戦当初は全てのヘリに装備されていたわけではなく、装着されるまでは兵士がM60を手持ちしたり、歩兵がM16ライフルで応戦していた。

ドアガンナーの仕事

防衛・攻撃

映画などでよく見る光景でドアガンナーの仕事のイメージがこれだろう。ヘリが攻撃を受ければ機銃で応戦し、防衛する。味方がヘリに無事乗り降りできるようを敵に対し制圧射撃を行う。また、上空から敵を見つければ攻撃を行い、時には上空から地上部隊を支援する。ヘリに搭載するフレアや弾薬の必要量を計算したり、機銃の最適位置を調整することもドアガンナーの責任だ。交戦地域ではない、安全なミッションでは機銃を取り外して搭載量を増やす。

監視業務

防衛業務と並行して行うのが監視業務。ヘリの眼となり危機や異変がないか周囲を目視で監視する。夜間にはナイトビジョン(NVG) を装備して、ミッションに関連するスキャナ業務を担い、目標や対象、敵味方を識別することも大事な任務の一部。

支援業務

現在では機銃を撃つ機会は多くない。任務の要件によって指示される航空機システム、補助装置、救助装置を操作したり、搭乗する兵士のサポート、傷病兵の手当なども行うこともある。

整備・点検・修理

ドアガンナーには飛行前後にすべての銃と防衛関連システムが適切に作動していることを確認する責任がある。すべての兵器システムが適切に機能し、安全に使用でき保護されていることを確認し、不具合があれば修理を行う。エンジニアのサポートとして機体のメンテナンスも行う。

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