インドメディアの報道によると5月25日、カシミールのインド警察は村人の通報でパキスタンから飛んできたと思われる鳩を拘束した。警察によると、押収された鳩の足首には暗号と思われる謎のコードが記載された紙が巻かれていた。
伝書鳩は機密情報のやりとりに使われていた
インドとパキスタンは北部のカシミール地域の領有権を巡って、長らく争っており、この地域は緊張状態が続いている。そのような中、パキスタン側から来た鳩の足首に巻かれた紙とコードを見た村人は、これが何かしらの機密情報をインド側にいるパキスタン協力者に情報を伝達しているのではと考え、地元の警察に通報した。
1000㎞の以上離れた地点から巣に戻ることができる伝書鳩は昔から戦時中の機密情報の通信手段として使われており、第二次世界大戦まで傍受されない方法して日本軍を始め英軍などで広く使われていた。しかし、通信手段の発達と共に次第に利用されなくなり、現在ではレースといった競技会など一部の愛好家のみによって行われている。このような競技用の鳩は迷った時や持主の情報を示すために足首にIDや所有者の電話番号などを記載したタグをつける。
コードはただの電話番号だった
インド警察はコードの解読を試みたが、どうやらコードはただの携帯番号だったようだ。鳩の所有者はハビブラという名前のパキスタンの村人であるということをパキスタンのメディアが報じた。彼は、インドとの国境からわずか4キロ離れたところに住んでおり、鳩を数十羽飼っていると語っており、鳩レースの競技会にも参加している。彼はインドのモディ首相に対し、返還を求め、28日に鳩は解放された。しかし、スパイ疑惑が完全に晴れたわけではない。インドでは過去にも鳩がスパイ疑惑で拘束されており、緊張状態が続く同地域では鳩がスパイのために使用されているかどうか調査する必要がある。過去には2014年のベトナムで中国からのスパイだと疑われたハト16匹が拘束される事があったが、これも競技の用の鳩で、大抵は無実で解放されることが殆どになる。