金総書記と愛娘が視察の軍事訓練中、空挺隊員のパラシュートが開かず、多数が死傷

金総書記と愛娘が視察の軍事訓練中、空挺隊員のパラシュートが開かず、多数が死傷

今年3月15日に金正恩朝鮮労働党総書記が娘のジュエを伴い視察に訪れた空挺部隊による降下訓練中、パラシュートが開かなかったり、絡まったりするなどで多数の空挺隊員が死傷していた事が分かった。

sponser

金正恩氏は3月15日、娘ジュエと共に空挺部隊の訓練の視察に訪れた。この模様は北朝鮮の国営メディア朝鮮中央通信が伝え、日本のメディアでも報じられた。訓練の目的は「戦時下の作戦計画に真っ先に動員される空挺部隊の即応力」の評価になり、公開された写真には旧ソ連製の大型輸送機「Il-76」から兵士が続々と降下していく様子が映っていた。朝鮮中央通信は空挺部隊の訓練は「完璧な戦闘能力を実証した」と伝え、金総書記も訓練の結果に大いに満足したと報じた。しかし、実際の訓練は悲惨なものだった事が判明する。韓国メディアのデイリーNKの報道によると、実際には強風の中で訓練を強行したせいで、降下した空挺隊員のパラシュートが絡まったり、うまく開かなかったりするなどして隊員はそのまま地上に落下、死傷者数は不明だが、副小隊長、分隊長、副分隊長といった士官も亡くなっているとされるので、多数の死傷者が出た事が推測される。

sponser

事故後、金総書記は犠牲となった死者と負傷者を称えるよう何度も指示を出し、5月22日に出された命令によれば、事故で死亡した兵士には金正日千年栄誉賞が授与され、労働党にまだ入党できていなかった者には「その貴重な栄誉を永遠に享受できるよう、完全な党員資格を与えるべきである」と入党資格を与えた。(北朝鮮では、公職や企業・団体において要職につくためには党員であることが必要とされ、党員か非党員で扱いが大きく変わる。党員数は300万人で全人口の7分の一しかいない。)遺族には愛国烈士証書を発行するよう命じ、今後は故郷で盛大な授賞式を開催するだけでなく、遺族は思想宣伝において善行の模範として紹介される。

空挺部隊は前線の真っただ中、または前線を通り越して敵後方に降下、孤立する事もあるため、優秀な兵が集まった精鋭部隊とされている。今回、その貴重な空挺隊員を朝鮮人民軍は多数失ったことになる。訓練中は強風だったとの事だが、おそらく、金総書記が視察に来るとの事で現場の指揮官は中止する判断ができなかったのであろう。

sponser
sponser
金総書記と愛娘が視察の軍事訓練中、空挺隊員のパラシュートが開かず、多数が死傷
フォローして最新情報をチェックしよう!