F-15イーグルの最新近代化モデルであるF-15EX Eagle IIの初期部隊にF-15Eで標準装備されているコンフォーマル・フューエル・タンク(CFT)が予算の都合から標準装備されません。
F-15EXは老朽化したF-15Cに代わる機体として開発された機体で、2021年から米空軍に納入が始まっています。本格的な配備はこれからになりますが、米国防省の運用テスト部門の年次報告書によれば、米空軍で最初の運用可能なF-15EXにはCFTが含まれていないことが明らかになりました。米空軍は2021年に8機、2022年に12機のF-15EXを発注していますが、CFTが搭載されているのは試験用として納入された2機だけとされています。
CFTとは
コンフォーマル・フューエル・タンク(CFT)は、翼下、機体胴体部に沿って取り付けられる燃料タンク、増槽です。戦闘機の燃料タンクというと、戦闘時に切り離すドロップタンクをイメージしますが、CFTは切り離すことができません。そのかわり、ドロップタンクと比べ空気抵抗が少なく、速度に影響が少なく、レーダー反射断面積が小さい、ハードポイントを使用しないので兵装に影響しないという利点があります。F-15Eには標準装備されており、F-15C/Dでも対応していますが、実戦で使用されたことは一度もありません。CFTがあることでF-15の航続距離は3,971kmから5,750km以上に拡大され、戦闘半径は大幅に拡大されますが、F-15EXはその恩恵をうけることができません。ただ、最初のF-15EXはオレゴン州空軍州兵第173戦闘航空団に配備、2025年から正式運用される予定であり、州兵とあるように米国本土の防衛を目的にした局地戦闘機的な扱いで、長い航続距離は必要とせず、空中給油で事足りという事情もあります。
CFTの非搭載は予算の都合上とされており、F-15EXは当初、144機の調達予定していましたが、80機に削減されています。
F-15EX First Operational Units Will Not Get Conformal Fuel Tanks