1945年に第二次世界大戦が終わって以降、長年にわたって世界を巻き込むような大規模な戦争は起こっていません。しかし、かつて、冷戦があったように第三次世界大戦の火種が全くないというわけではありません。アメリカの軍事メディア「1945」は第三次世界大戦が勃発する可能性のある5つの場所を発表しました。
1位 ウクライナ
2014年のロシアによるウクライナのクリミア併合以降、ウクライナはヨーロッパの火薬庫になっています。ウクライナの東部では反政府の親ロシア派が武装蜂起、ウクライナ軍と軍事衝突が起き、長らく紛争が続いています。親ロシア派の背後にはロシアがいるとされ、兵器やPMCといった民兵を送り込み親ロシア派を支援。ロシアの間接的な侵略戦争とされ、内戦とは呼ばれません。そんな、ウクライナにアメリカを始めとしたNATOが物資や訓練といった支援を行い、ウクライナのNATO加盟が近づくと、影響力の保持、NATOとの緩衝地帯として、ウクライナの加盟を阻止すべく、ロシアは国境に10万人規模の大部隊終結させ、ウクライナがNATOに加盟するようであれば軍事侵攻も辞さない姿勢を示しています。NATOはまだ直接的な支援を避けていますが、イギリスなどはいつでも部隊を送り込む準備を進めています。
2位 台湾
中国は”一つの中国”の政策のもと、台湾を中国の一部とし、アメリカや日本をはじめ世界のほとんどの国が中国を唯一の中国政府とし、台湾との公式な外交関係を結んでおらず、国連といった国際機構にも加盟できていません。とはいえ、台湾は民主国家であり、中国から完全に独立した政府、行政、司法を確立、国際的な地位を得ることを望んでいます。これまで、台湾の立場について曖昧な姿勢をとってきた米国はトランプ政権時代から台湾の主権を支持、最近は他の国も追随しています。しかし、それを中国が許すわけがなく、もし、独立を主張するのであれば武力による併合も辞さない姿勢を示し、台湾侵攻を想定したと思われる海軍の増強、軍事演習、防空識別圏への侵入を度々繰り返しています。これに対抗すべく台湾も大幅に軍備を増強。有事の際は台湾を防衛するとバイデン大統領は名言、日本も集団的自衛権の行使があり得ることを言及しています。
3位 イラン
1978年のイラン革命以降、アメリカと対立関係にあるイラン。2015年に経済制裁を解除する代わりにイランの核兵器開発を大幅に制限する「核合意」を米英仏独ロ中との間で締結し関係は前進するも、トランプ前大統領が他国の説得に応じず、一方的に離脱。これにより、両国の関係は更に悪化。2020年にはイラン革命防衛隊の司令官を米軍が殺害するなど緊張が増します。バイデン政権になってからは合意の再建を図るも膠着状態が続いています。イランの火種は米国だけではなく、イスラエルとも度々衝突。イランはヒズボラやハマスを支援して間接的にイスラエルを攻撃、イスラエルもイランの核科学者を暗殺するなど報復が続いています。また、隣国サウジアラビアとも険悪でイエメンではイランが支援するフーシ派武装組織とサウジアラビアが支援する政権派との代理戦争が起きており、イランは多くの火種を抱えています。
4位 朝鮮半島
1950年に始まった朝鮮戦争はまだ終わっておらず、韓国と北朝鮮は休戦状態にあるだけで、38度線のDMZを境に長年睨みあいが続いています。何度か小競り合いはあったものの、半世紀以上、大規模な衝突は起こっておらず、付かず離れずを繰り返し膠着状態が続き、関心を示してもらいたい北朝鮮の弾道ミサイル発射といったスタンドプレーが度々散見するのが現状ですが、新型コロナで戦争どころではないのも実情です。
5位 中印国境
Interception of #PLA Troops by #IndianArmy near Bum La, Arunchal Pradesh.
— Ankur🇮🇳™ (@unapologeticAnk) January 1, 2022
After #GalwanValley incident in 2020, #PLA knows about the bravery and strength of #IndianArmy 💪💪#India🇮🇳⚡️#China🇨🇳 pic.twitter.com/IcDgLR37ML
ヒマラヤ地帯の国境線の画定で長年、中国とインドはもめており、1962年には軍事衝突「中印国境紛争」が起きています。その後は大きな衝突はありませんでしたが、2020年から再燃。軍同士の衝突が度々起き、双方に死者も出ていますが火器使用したものではなく、今のところは殴りあいです。とはいえ、これをきっかけに両軍は国境地帯の軍備を拡大。インドも中国を念頭に大規模な軍備増強と近代化を図っています。インドは同地域でパキスタンとも国境問題を抱えており、パキスタンは中国側です。1962年と比べ、両国ともに大国に発展した今、衝突が起きれば多方面への影響が大きいと思われますが、国境問題のため、軍事衝突自体は限定的でしょう。
Source
https://www.19fortyfive.com/2022/01/5-places-where-world-war-iii-could-erupt-in-2022/