フランスの軍需企業Turgis & Gaillardは自社で開発製造する無人機Aarok MALEの廉価版をウクライナの航空機メーカーAntonov(アントノフ)と共同生産することを発表しました。この協定は、9月28日にフランス国防大臣セバスティアン・ルコルヌイユがキエフを訪問した際に署名されました。早ければ、来年にはウクライナで生産が本格化します。
Aarok MALE
🇫🇷🇺🇦 The French company "Turgis&Gaillard" signed an agreement with the Ukrainian company "Antonov" on the joint production of a cheaper version of the Aarok MALE drones.
— MAKS 23 👀🇺🇦 (@Maks_NAFO_FELLA) October 3, 2023
It can take off in Ukraine as early as next year. Aarok has a max speed of 463 km/h. It can fly for 30 hours. pic.twitter.com/VflL453udh
Aarok MALEは今年6月に開催されたパリ航空ショーでお披露目された新鋭のMALEクラス (中高度長距離耐久) の無人機です。プロペラ駆動の固定翼機で全長14m、翼幅22m。最高速度は463km/hで、30時間の連続飛行が可能です。最大離陸重量は5.5トンでペイロードは1.5トン。このペイロードは攻撃ミッション用の誘導爆弾や空対地ミサイルといった重火器、情報、監視、目標捕捉、偵察 (ISTAR) 任務のための電子機器及びレーダーセンサーを搭載するように設計されています。
武装
機体には6 つのハードポイントがあり、構成に応じて4発のサフランAASM 250kg誘導爆弾、またはANL 軽対艦ミサイルと2発のAGM -114 ヘルファイア対地ミサイル、またはAKERON MP対戦車ミサイルを搭載することができます。武装有りの場合、連続飛行時間は24時間に短縮されます
レーダー/センサー
機体には25インチの監視スイートを搭載。高解像度赤外線カメラ、レーザー距離計、レーザー指示計、および車載自動目標識別システム、無線偵察システム、2種類のデータリンク端末を備えています。この他、電子信号傍受システム (SIGINT/ELINT)、海上監視および地形マッピングミッション用のレーダーも搭載できます。
Aarokは短い滑走路でも離着陸できる自動着陸システムも備え、衛星接続 (SATCOM)もあるため、遠隔操作に関しては物理的な距離の影響を受けません。推定コストは1,000~2,000万ユーロとされています。
ただ、冒頭でも述べましたがウクライナで生産されるのはこの廉価版です。そのため、いくつかの機能は取り除かれることになりますが、その詳細は明らかにされていません。ウクライナで生産されるAarokはウクライナ軍でしか使用されません。