フランスの国家憲兵隊治安介入部隊「GIGN」と国家警察特別介入部隊「RAID」、大統領警護の警備グループ「GSPR」は、7.62 x 35mm(.300Blackout )口径の銃を調達することを計画しているようです。
ドイツメディアのSoldat&Technikによるとフランス内務省は最近、138丁の銃を調達するための入札の呼びかけを行ったと報告しました。うち62丁はGIGN、40丁はRAID、36丁はGSPRに支給されます。
入札書によると、銃身の長さが5インチ(12.7cm)と7インチ(17.78cm)の異なる二つの武器が調達されることになっています。兵器はモジュール構造を有し、特別な工具なしで5.56×45 mm口径に変換可能でなければなりません。銃そのものに加えて、入札者は30ラウンドのマガジン (銃ごとに6個) 、サプレッサー、スリング(ストラップ)、M-Lokインターフェイスを備えたハンドガードなどの付属品、弾薬の供給も求められており、納入予定同報告書によると音速弾約30万発、亜音速弾約66万発が必要で、後者はGSPR向けになります。
中間弾薬の7.62 x 35mm(.300Blackout )
7.62 x 35mm(.300ブラックアウト)は拳銃弾と小銃弾の中間弾薬という位置づけで、高速弾とサプレッサー使用時に高い静音性を発揮する亜音速弾の2つが開発されています。射程は短いですが威力が高く、5.56×45 mmと互換性もあり、マガジンやボルトを共有できるのも特徴です。あまり聞かない口径、弾薬でしたが、作戦時に静音性を必要とする警察や特殊部隊でここ数年採用が増えており、ベルギー連邦警察が5.56×45 mmと7.62 x 35mmに対応するモジュラー式のFN SCAR-SC、ドイツ警察とオランダ海上特殊作戦部隊も同じくモジュラー式のSIG MCXを採用しています。ドイツのヘックラー&コッホはG3ベースのHK237、HK416ベースのHK337やHK437を開発製造しています。SIG MCXは最も短いものでバレル長が5.5インチとフランスが求めるバレル長5インチに近く、欧州での実績を考えるとSIG MCXの採用が有力かもしれません。