F-35を購入するギリシャは古いF-4、ミラージュ2000、F-16を売却したい

F-35を購入するギリシャは古いF-4、ミラージュ2000、F-16を売却したい
Greece Air force

ギリシャは第5世代ステルス戦闘機F-35の購入が決定したことに伴い、古くなった戦闘機の売却を検討しており、現在、売り先を探しています。しかし、中古機市場は現状、一定の需要を満たしており、売却は簡単ではありません。

For Sale: Greece’s Old, Used Fighter Jets Now Looking for Foreign Buyers
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今年1月、ギリシャは米政府と86億ドルで40機のF-35の購入に合意しました。2028年には最初の機体が納入される予定です。ギリシャは2020年にフランスのラファール戦闘機18機を購入しており、F-35が導入されれば、地域では最も先進的な戦闘機を持つ国となります。最新鋭戦闘機の購入に伴い、ギリシャは余剰となる古い戦闘機の売却を検討しています。

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ギリシャの空軍戦力

現在、ギリシャ空軍の戦闘機は以下の通りです。

・ラファール:18機(6機を追加購入予定)
・ミラージュ2000-5:24機
・F-4 ファントムII:33機
・F-16 ファイティングファルコン:151機

この内、ギリシャが売却を考えているのが、ミラージュ2000とF-4ファントムII、そして、F-16の中でも初期生産モデルのBlock30です。

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ミラージュ2000-5

F-16懇願の影でミラージュ2000の極秘訓練を行うウクライナ軍のパイロット
NATO

ミラージュ2000はフランスのダッソー社初の戦闘機になり、1970年代に開発された第4世代のマルチロール戦闘機です。1978年に初飛行を行い、1984年に初期量産型のミラージュ2000Cがフランス空軍に就役、ギリシャには1989年に最初の機体が配備されています。現在、ギリシャが保有する2000-5モデルは1990年代に最新のアビオニクスを導入した改良型です。ミラージュ2000は各国で退役が進んでいますが、2000-5モデルはまだフランス空軍でも運用されており、ギリシャのニコス・デンディアス国防大臣は「ミラージュ2000-5は非常に有能な飛行機であり、販売することができる」と述べています。2023年6月にインドネシアがフランスから12機の中古のミラージュ2000-5を購入しており、直近での売買実績はあります。この他、ミラージュ2000の運用国であるインドが中古機体の購入を検討しているとされます。しかし、ミラージュ2000-5はカタールも売りに出しており、売却は容易ではありません。

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F-4ファントムII

USAF

アメリカのマクドネル・エアクラフト社によって開発された艦上戦闘機・戦闘爆撃機。1960年から運用が開始され、1958年から1981年にかけて延べ5,000機以上が製造されたベストセラー機です。ギリシャ空軍には1970年代から配備されています。その後、1998年に近代化改修が行われています。F-4は米軍では1996年に退役、航空自衛隊でも2020年に退役するなど、各国で退役が進んでおり、その他の運用国でも今後数年以内の退役を予定します。ギリシャ空軍でも2017年から部分的な退役が始まっており、F-4については売却は厳しいと考えており、そのまま退役される見込みです。

F-16 ファイティングファルコン

Greek Air force

F-16はアメリカのジェネラル・ダイナミクス社によって1970年代に開発、1978年に運用が始まった冷戦期の第4世代多用途戦闘機です。これまで延べ4,500機以上が製造され、20カ国以上が採用したベストセラー戦闘機です。ギリシャは1980年代に最初のF-16C/D Block30 40機を購入。1990年代に40機のBlock50、2000年代に60機のBlock52を購入。Block52はその後、30機を追加購入しています。今回、ギリシャが売りに出したいのは初期のBlock30モデルでまだ20機前後があるとされます。F-16は世界でまだ2000機以上が運用されており、需要が高い機体です。先日もアルゼンチンがデンマークから24機のF-16を購入しており、しかも、購入したのはBlock10/15とギリシャのよりも古いモデルです。ただ、スロバキアやトルコが最近、F-16の最新モデルであるBlock70を購入するなど、新造機の需要も高い機体であるのと、F-35を導入する欧州各国でF-16の退役が進んでいることもあり、中古機の供給が多く、競争になる可能性もあります。ただ、F-16は民間軍事会社からの引き合いも多く、オランダはウクライナにF-16を供給するため、民間軍事会社への売却をキャンセルしています。ただ、このタイミングでのF-16の売却報道ということもあり、NATOの一国としてウクライナにF-16を供与という話も上がっています。

経済危機に陥っていたギリシャですが、2021年以降の経済成長率はユーロ平均を上回っており、回復傾向にありますが、緊縮財政は継続しており、F-35の購入資金のためにできる限り、売却したいと考えています。

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