GROZA(グローザ)OTs-14というアサルトライフルを知っているだろうか?ゲームの中でしばしば登場し、人気バトルロイヤルゲーム『PUBG』の中では最強のアサルトライフルとして登場している。なぜ、GROZAが最強の銃なのか、その謎を紐解いていきたいと思う。
ブルパップ式の突撃銃
GROZA (グローザ)はロシア語で「雷雨」を意味し、正式名は OTs-14になる。開発当時はチェチェンの独立を求めるチェチェン紛争が起きており、市街地戦が多い中で室内において小回りがきき、高い威力と消音効果を併せ持つ小銃の要請を受けて1993年に開発された。最初にロシア内務省治安部隊(MVD)に採用され、他のスペツナズ部隊や空挺部隊も採用していった。
AKS-74Uをベースに開発
開発には既にコンパクト化され優れたカービン銃として評価を受けていたAKS-74Uをベースに開発しており、約75%の部品を共有している。この点でいうとグローザもAKシリーズの派生モデルになる。それもあり耐久性、信頼性は非常に高かった。
しかし、形状にAKS-74Uの面影はなく、独特な外観をしている。理由はブルパップ式を採用しているためだ。ブルパップとは発射機構や弾倉を後方に配置しストック内に置くことで銃身(バレル)の長さを維持しながら全長を短縮することができ、銃のコンパクト化が可能になる。
最強たる理由
威力が高い
通常のAKS-74が使用する弾丸は5.45×39㎜弾になる。西側で主流なのは5.56×45㎜ NATO弾になる。グローザが使用するのはAK47でも使用していた高威力の7.62×39㎜弾と9×39㎜弾になる。9×39㎜弾は重量17gと通常よりも重い特殊な高性能装甲貫通弾になり、100m以内であれば現在の高性能ボディアーマーはほぼ貫通できる。また、弾は重い分初速は遅いが風の影響を受けづらい。
取り回しが良い
グローザはいくつかのバリエーションが造られたが、フォアグリップを無くした簡易的なモデルはOTs-14-4A-02は全長500㎜になる。これはAKS-74Uの銃床展開時の735㎜より短く、 銃床を折畳んだ時の490㎜と同等の短さになる。「長さは同じでは?」と思うかもしれないがクローザは銃床があって500㎜だ。銃床がある無しは射撃時の安定性に深く関係する。重量は2740gとこれもAKS-74Uと同等になる。
発射音が聞こえない
OTs-14-4A-03はサプレッサーを内蔵しており発射音を抑えることができた。 更に9×39㎜弾は亜音速弾とも呼ばれ弾丸は音速より遅い亜音速なる。この音速を下回ることで発射音を抑えることができ消音効果を高め、わずか数メートル先でも銃声が聞こえない。
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今では使われていない?
AKS-74Uを作り変えたようなグローザはブルパップ式に適した設計にはなっておらず、サイティングや反動など使い勝手は決して良くなかった。グローザの登場後直ぐに 9A-91やSR-3といった優れたアサルトライフルが登場して、現在はそれらにとって代わってしまったようだ。ゲームとリアルとでは勝手は違うようだ。