パトリオット防空ミサイルのメーカーの一つであるレイセオン社は、ウクライナ及び世界各地で需要が高まったことで同兵器の生産を増やす計画を立てています。
パトリオット防空ミサイルシステムのメーカーの内の1社であるレイセオン社は、来年末までにさらに5基の同兵器をウクライナに引き渡す計画を発表。これに先立ち、レイセオン社はパトリオットの増産を計画。ウォールストリート・ジャーナルの報道によればレイセオン社の会長兼最高経営責任者(CEO)のグレッグ・ヘイズ氏はパトリオットの生産を年間12システムに増やす用意があるとインタビューに答えました。
パトリオット防空ミサイルシステムはロッキード・マーティン社とレイセオン社によって生産されおり、日本を含め世界18カ国で使用されています。レイセオン社はこれまで述べ240基を生産してきましたが1980年代から生産されていることを考えると年間の生産数はそう多くはありません。パトリオットはミサイルフレーム、レーダー、交戦管制ステーション、発射ステーション、アンテナマストで構成されており、新規のシステム一式の生産には約2年かかり、生産にかかる費用の総額は約4億ドル(530億円)にも上ります、ミサイル一発でも410万ドル(5.3億円)と非常に高額なシステムです。高額な分、世界で最も優れた防空システムと言われており、実際、ウクライナではロシアの長距離ミサイルの攻撃に対し、90%を超える迎撃率を達成しています。パトリオットが撃墜したミサイルの中にはロシアが誇る極超音速ミサイル「キンジャール」6発も含まれています(キンジャールの終末速度はマッハ4未満だった)。しかし、これらの代償としてウクライナは1基のパトリオットが損傷しています。これが、更に5基増えることになれば、ウクライナの防空はより強固になります。パトリオットミサイルの年間生産量も500発に留まるため、ウクライナでの消費ペースを考えるとミサイルについても増産する必要があります。
🄫Lockheed Martinウクライナの首都キーウを襲うロシア軍のミサイルをことごとく撃破しているパトリオットミサイルですが、成果を上げる一方、消費が増える事で在庫の懸念が浮上しています。[adcode]今月1[…]
Source
How the U.S. Patriot Missile Became a Hero of Ukraine War – WSJ