インドは古いボフォース40mm対空機関砲をドローンキラーとして使用します

インドは古いボフォース40mm対空機関砲をドローンキラーとして使用します
Photo Indian Army

インド軍は第二次世界大戦時に開発された対空機関銃「ボフォース40mm機関砲/L70」を2020年代の脅威であるドローン・UAVへの対抗武器として使用します。

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インドでは今年6月、パキスタンとの係争地であるカシミール近くの空軍基地が爆発物を搭載したドローンによって攻撃を受け、2名の兵士が負傷したことにより、対ドローン兵器の配備が急務になっており、様々な兵器の開発、購入を検討しています。そこで、インド軍が目つけたのが既存兵器の「ボフォース40mm機関砲/L70」です。インド防空軍団は、9月17日に射撃テストを行い500m先のドローンの撃墜に成功します。

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第二次大戦から今なお運用される対空機関砲

ボフォース40mm機関砲はスウェーデンの防衛企業ボフォース社によって1930年代に開発された対空砲です。高い発射速度と初速、射程誇る機関砲は第二次世界大戦の勃発もあいまって、ほぼ全ての連合国によって採用され、地上のみならず艦載砲としても運用されるなどベストセラーとなり、戦後は世界中の軍隊に採用されます。大戦末期、ジェット機の出現など、航空機の高速化に伴い、より高速な航空機に対抗できるよう、戦後には発射速度120から330発/分に、初速881m/sから1021m/sに、射程7.1から12.5kmに向上させた”L70”が開発されます。インドはこれを1960年代に購入。その後、ライセンス提供をうけて国内生産。インド陸軍では現在、1180基が運用されています。

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ドローンキラーに改修

40mmの大口径のこの機関砲は航空機やヘリといった飛翔体を撃墜することを目的に開発されていますが、インド軍はこれを小型ドローンを撃墜するためのドローンキラーとして改修を行いました。国内企業のZenTechnologies Ltdが開発したカウンタードローンシステム(Zen Anti-UAV Air Defense System:ZADS)をL70に搭載。ZADSは妨害電波を照射してドローンを無効化(ソフトキル)するシステムですが、L70と統合することでハードキルシステムと使用されます。 ZADSの無線周波数検出器は10m~10kmの間でドローンを検出、おおよその位置をL70に送ります。L70はそれを受け取るとリモートでドローンを照準に捉え、オペレーターがロックオン、発砲を行います。テストでは幅60cmのドローンに対し4発の近接信管弾を発射。炸裂した弾薬は破片をばら撒き、ドローンを撃墜しました。この弾薬は1000個のタングステンの破片をばら撒き、ドローンの群れ「スウォーム攻撃」にも対応可能です。

今回は予備試験にあたり、今回のテストを踏まえ、改修を行い、自律飛行の小型ドローンの対抗できるよう、Xバンド・レーダーを搭載する予定です。

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Source
https://www.indiatoday.in/india-today-insight/story/how-the-army-is-tweaking-its-vintage-l-70-gun-into-a-drone-killer-1857876-2021-09-27

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