インド軍は古いミルズ型手榴弾を止め、MMHG手榴弾を受け取ります

インド軍は古いミルズ型手榴弾を止め、MMHG手榴弾を受け取ります
Solar Industries India

インド陸軍はこれまで長らく使用してきたヴィンテージ手榴弾「ミルズ型手榴弾(No.36M)」に別れを告げ、代わりに新しく国内で開発された「マルチモード手榴弾(Multi Mode Hand Grenade:MMHG)」に置き換えます。

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MMHG手榴弾

インド軍は古いミルズ型手榴弾を止め、MMHG手榴弾を受け取ります
Photo Solar Industries India

ミルズ型手榴弾(写真下)は1915年にイギリスで開発され、イギリス軍では1970年代まで使用されていました。インド陸軍では派生型のNo.36Mを第二次大戦前から、かれこれ約一世紀に渡って使用してきました。安価で扱いが簡易で今でも多くの途上国で製造、使用されていますが、設計が古いため信頼性に深刻な問題を抱え、不均一な破片の分散は射手、味方に対してもリスクを与えていました。マルチモード手榴弾(MMHG)では、これらの安全性と殺傷性を改善。性能に影響を与えることなく必要な時に何度でも信管の取り外しができ、15年の耐用年数を有します。破片の分散範囲は均一化され、威力を軽減しません。MMHGにはデュアルモードが付いており、フラグメーションの有無で防御手榴弾と攻撃手榴弾と組み換えが可能になっています。破片を撒き散らすフラグメーションが付いた防御手榴弾の殺傷半径は開けた場所で破裂点から8mになります。攻撃手榴弾の場合は破片の分散はなく爆風効果のみで殺傷半径は破裂点から5mになります。

100万個のMMHGが6月中にインド軍に納入される予定です。

ミルズ型手榴弾(写真:英王立武具博物館)

海外でも高評価

MMHGはインドの民間企業Economic Explosives Limited(EEL)によって開発製造された手榴弾で、防衛研究開発機構 (DRDO) の研究所である末端弾道研究所 (TBRL) と EEL によって共同で設計されました。弾薬といった領域はこれまで国営企業の独占でしたが、EELはインドの民間企業としては初の参入事例です。親会社のSolar Industries India Ltdは爆発物の専門メーカーで民間から軍用と様々な爆発物を製造しており、性能に関しては折り紙つきです。インドネシア軍もMMHGを購入しており、その安全性と殺傷能力に感銘を受け、現在、多くの外国がEELの製造した製品に関心を示しています。

インドでは現在、軍需兵器の海外サプライヤーの依存率を減らし、独立性を保つ「Atmanirbhar Bharat Mission」を進めており、国内開発製造されるMMHGもその一環になります。

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Source
https://solargroup.com/wp-content/uploads/2020/08/MMHG-New-BS-Updated-1.pdf
https://www.greaterkashmir.com/editorial/mmhg-to-replace-vintage-grenades-army

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