イスラエル軍、パレスチナ初代大統領アラファト氏の記念碑をブルドーザーで破壊

イスラエル軍、パレスチナ初代大統領アラファト氏の記念碑をブルドーザーで破壊

イスラエル国防軍はパレスチナ・ヨルダン川西岸にある故アラファト議長の記念碑をD9Rブルドーザーで破壊した。これは文化遺産に該当するとされ、意図的に破壊することは戦争犯罪に当たる可能性があると指摘されている。

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イスラエル軍は現在、ガザ地区に地上侵攻行い、ハマスの殲滅戦を展開しているが、パレスチナ自治政府があるヨルダン側西岸でも軍事作戦を展開。パレスチナ人に複数の死者が出ている。

イスラエル軍はトゥルカレム難民キャンプに進軍。キャンプの入口にあったパレスチナ解放機構及び政党ファタハの元議長、そしてパレスチナ国初代大統領である故アラファト氏の記念碑をブルドーザーで破壊した。イスラエル軍は破壊した理由を明かしていないが、戦闘とは関係なく、遺跡、文化財を故意に破壊する行為は戦争犯罪とされている。

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アラファト議長だが、もともとはパレスチナ解放運動を進める強硬派として活動、イスラエルに対しゲリラ戦を展開していたが、後に対話路線を図る穏健派に転換。1993年にイスラエルと歴史的な和平協定「オスロ合意」を締結し、パレスチナ自治政府を設立。二国家共存を目指し、1994年にイスラエルのラビン首相と共にノーベル平和賞を受賞していた。しかし、1995年にラビン首相が和平反対派のユダヤ人青年に暗殺され、和平合意が停滞。強硬派のネタニヤフ首相が政権を握り、そして、ハマスが台頭するなど、徐々に支持を失い、失意の中、2004年に死去した。イスラエルがハマスを根絶した場合、ガザ地区を統治するのはヨルダン側西岸を納める穏健派のパレスチナ暫定政府とファタハと思われたが、アラファト氏の記念碑の破壊は事態の複雑化を招きそうだ。イスラエルはハマス掃討後もガザ地区に治安維持のため、軍を駐留させると言っており、事実上占領下に置くことが懸念されると共に、それを機に入植を進めるのではと危惧されている。

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