冷戦時のソ連の超音速ミサイルKholodがオークションで売り出されました

冷戦時のソ連の超音速ミサイルKholodがオークションで売り出されました

世界各国で開発が進む超音速ミサイル。その先駆けとなったとされ、ソ連時代に開発された超音速ミサイル「Kholod(ホロッド)」が民間のオンラインオークションに売り出され、落札されました。

ドイツのテクニカル・アンティークス専門のオークションハウス「オークションチームBrek​​er」は、11月6日のオンラインオークションで冷戦時代のソビエト連邦の極超音速ミサイルを出品しました。ミサイルはすぐに非公開のヨーロッパの会社に32,000ドルで落札されました。

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テスト中にソ連崩壊

Kholodは1970年代にバラノフ中央航空モーター研究所(TsIAM)によってミサイルに音速の5倍以上の動力を与えることを目的に開発が始まり、20年の開発期間を経て1991年にプロトタイプが完成しました。その年の11月27日、プロトタイプはテストのためカザフスタンのeSaryShagan試験場に輸送されます。初飛行でマッハ3.6を達成するも、テスト開始から1か月も経たないうちに、ソビエト連邦は崩壊。Kholodはカザフスタンに取り残されます。

そんなKholodに目を付けたのがアメリカとフランスでした。両国はソ連崩壊によって職にあぶれたソ連の優秀な航空宇宙科学者に手を差し伸べると共にKholodのプロジェクトを継続。アメリカではNASAが1994年に研究に参加し、専門知識と資金を寄付し、その額は1998年までに9,500万ドルに達しました。
米国が開発に参加した1994年に4つのスクラムジェットエンジンを搭載したKholodは最速マッハ6.5、高度35kmまで上昇に成功します。この記録は2001年にNASAによって製造された別のスクラムジェットX-43Aがマッハ9.6を達成するまで最速記録でした。

Kholodは合計9機が建造され、5機がテスト飛行中に破損。オークションにだされたのは地上での静止テストで使用されたものです。

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Source
https://newatlas.com/military/cold-war-russian-hypersonic-test-missile-sold-auction/

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