ロシアの防空システムでM142 HIMARSとM270 MLRSのロケットを迎撃することはできない

ロシアのS-400防空ミサイルシステムは、高機動砲弾ロケットシステムM142 HIMARS(ハイマース)のロケットを迎撃することができなかったとウクライナ国防省は公式Twitterで述べました。それはつまり、ロシア軍はM142 HIMARSとM270 MLRSの攻撃を防ぐ術がないことを意味します。同様の報告は、ウクライナ内務大臣の顧問であるアントン・ゲラシュチェンコによっても報告されており、両者は「ロシア軍の弾薬と燃料倉庫は、米国の武器の力から完全に保護されていません。」と述べています。

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ウクライナ軍はここ数週間、南部の奪還に向けて、ロシア軍占領地域にある武器庫や燃料備蓄基地といった兵站拠点、約20カ所を破壊したと発表しています。これらの攻撃を主に行ったのがアメリカから提供されたM142 HIMARSとされます。ハイマースは最大射程90km、慣性航法システム、GPSガイダンスを備えた精密誘導ロケットを発射します。ロケットの精度は70km先の車両をピンポイントで攻撃できるほど正確です。ウクライナ軍は8日にアメリカが発表した追加支援の4両に加え、計12両のハイマースを米国から受け取ります。更に15日には同じロケットを発射するM270 MLRSをイギリスから受領。ハイマースのロケット搭載数が6発なのに対し、MLRSは12発と倍になり、火力は更に増強されます。MLRSはドイツも提供を予定しています。

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S-400dでは迎撃できなかった

ウクライナの発表によればこれらの攻撃を防ぐべく、ロシア軍はS-400防空システムを使用したようですが、それは残念ながら効果が無かったようです。S-400は1970年代に開発されたS-300の後継として1990年代に開発、2000年初頭から配備が始まった防空ミサイルシステムです。現在、更に後継のS-500が開発されていますが、量産が進んでおらず、実質S-400はロシア軍が配備する最新鋭の長距離防空システムになります。最大400km先の標的を撃墜でき、レーダーは600km先の空中標的を検知します。S-400はウクライナ国内に配備されたという情報はありませんが、その長射程も相まってロシア国内、クリミア半島からウクライナ国内の標的を撃墜することが可能で、実際にウクライナ軍の戦闘機やヘリがロシアから放たれたS-400によって撃墜されており、この射程内を飛行するのは自殺行為とウクライナ軍パイロットも述べていたとされます。

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ロシアの防空システムではM142 HIMARSとM270 MLRSを撃墜するのは不可能
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