F-35Bが搭載可能なイタリア海軍の新造艦トリエステ強襲揚陸艦が就役

Italian Navy

イタリア海軍の新造艦であるトリエステ強襲揚陸艦(Trieste  L9890)が就役した。同艦は今年10月に退役したヘリコプター揚陸艦ジュゼッペ・ガリバルディの後継艦になり、F-35B搭載可能な2隻目の船となる。

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12月7日土曜、イタリア海軍新鋭艦トリエステ強襲揚陸艦がイタリア海軍に納入され、就役式典が行われた。式典にはマッタレッラ大統領、クロセット国防相、ポルトラーノ国防参謀総長が出席した。2019年に進水、その後、5年間に渡る海上試験と検証作業を完了し、今年10月に退役したヘリコプター揚陸艦ジュゼッペ・ガリバルディの後継艦として就役した。同艦は第二次大戦後にイタリアで建造・就役した船では同海軍最大の船になり、全通甲板を持つ強襲揚陸艦としてF-35B、ヘリコプター、そして、揚陸艇、水陸両用車両を搭載。イタリア海軍の中核を成す船となる。

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スペック

トリエステ強襲揚陸艦は1985年に就役したヘリコプター揚陸艦ジュゼッペ・ガリバルディの後継艦として、2015年に発注、2018年2月に起工された。満載排水量が約38,000トン、全長約245mとイタリア海軍最大の船となる。最高速度25ノット(46km/h)、航続距離1万3000km。電子装備にはAESA LRR Lバンドレーダーとクロノスパワーシールド、電子戦防御システムを搭載。武装にはオート・メラーラ76mm速射砲3門、25mmRCWS3基、および対空ミサイルのAster 15とCAMM ERを搭載する垂直発射システム(VLS)が両側の船首と船尾に計4つ設置されており、防空能力が高い。

軽空母能力

230×36mの大きさの飛行甲板を備え、面積は約7,400㎡。甲板にはEH101やNH90などの大型ヘリコプターやF-35B戦闘機用の9つの離陸スポットがある。また、航空機の運用を最適化するためのツインアイランド、F-35B戦闘機発艦用のスキージャンプ台が採用されている。運用構成では、固定翼機とヘリコプターの様々な構成で最大30機程が搭載可能。飛行甲板には14機から20機の航空機を収容でき、F-35Bの場合、最大20機搭載できる。 F-35B搭載艦としてカブール強襲揚陸艦に続く、2隻目の軽空母能力を持つ船になる予定だ。

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揚陸艦能力

標準乗組員は450名で、これとは別に最大600名ほどの兵士を輸送できる。格納庫の下の2番目のデッキは面積が2,300㎡、55×15 m の浸水可能なウェルデッキを備えており、4隻の機動揚陸艇(LCM)、または1隻のエアクッション型揚陸艇(LCAC)、または数十両の水陸両用車両 (AAV-7 または BAE-Iveco ACV) を収容できるように設計されている。LCMにはアリエテ戦車1両、またはイヴェコ LMV軽装輪装甲車5台、チェンタウロ戦闘偵察車1両、フレッチャ歩兵戦闘車、または兵士300名を搭載できる。

病院戦能力

手術室、放射線科および分析室、歯科診療所、重病患者28名を収容する病棟など、設備の整った病院も備えられ、総面積は700㎡になる。コンテナモジュールによって病床は追加が可能。

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