韓国国防調達計画局(DAPA)と韓国航空宇宙産業(KAI)は、KAIが開発する韓国国産の新しい軽武装ヘリコプターLAH(Light Armed Helicopter)のプロトタイプがテストに合格し、「暫定戦闘用適合」判定を受け、開発段階から「低レート初期生産」(LRIP)に移行すると発表した。LAHシステム開発事業に着手してから適合判定までに5年6ヶ月擁した。
LAHの概要
LAHは現代の戦場に適した最先端の武装ヘリコプターの開発を目的としたプロジェクトで韓国軍の老朽化した攻撃ヘリコプター(MD-500、AH-1 S)の代替として設計された。韓国軍は、米国からより強力なアパッチAH-64E攻撃ヘリを購入しているが、運用コストが低い軽武装LAHは必要していた。
主な任務は攻撃ヘリとして敵戦車、地上部隊への攻撃はもちろんのこと空中強襲部隊のカバー、威力調査など、さまざまな任務をこなすことが可能。武装には国産の空対地ミサイル(AGM)チョンゴム、20mm機関銃、70mmロケット弾を搭載。ノーズには光電/赤外線センサー(EO / IR)、胴体にはミサイル・レーダー警報機、赤外線信号を低減するための上方に向けられた排気装置を装着。エンジンはエアバス製のH155(別名EC155)ツインエンジン。
同モデルに民間仕様のLCH(Light Civil Helicopter)があり、こちらは先行して開発、導入が進んでいる。LCHの生産と部品の共通化により開発・生産・運用コストが大幅に削減されている。
最大速度:323km/h
航続距離:857km
最大離陸重量:4,920kg
暫定戦闘用適合とは
「暫定戦闘用適合」判定と航空機のように、開発から生産に至るまで、長時間かかる場合、軍戦力化日程などを考慮して、研究開発終了前の最初の量産に着手するための中間の意思決定手続きだ。以後、後続の試験評価を実施して「戦闘用適合」するかどうかを最終的に判定する。
今回の判定獲得にKAIはLAHの主要な開発要求度と軍の要件を満たしており、開発が成功の上、進行していることを認められて、最初の量産のための基盤を用意することができるようになった。KAIは、過去2015年6月LAHの開発に着手して以来、2017年11月に設計を終え、昨年7月に初飛行に成功し、今年8月末までに初回の試験評価を行った。
KAIはLAH試作機3台を活用して、最大巡航速度、航続時間、縦の上昇率、所定の位置の飛行能力、強風し運用能力など850余時間、3600個の条件で飛行試験を行いった。加えて、エンジンの性能試験、武装システム試験、航法/通信機器試験、ミッション機器試験、環境試験(酷寒期/酷暑)などを介して、航空機システムが正常に動作しているの全体的なLAH飛行性能と安全性を証明した。
KAIは2022年6月までに4千個のアイテムを追加証明する計画で、LAH後続の試験評価が完了すると、同年8月に戦闘用適合判定を獲得し、2022年末にLAHの開発を完了することになる。
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