レイセオン・テクノロジーのミサイル&ディフェンスは対戦車ミサイルなど地対地ミサイル発射するジャベリンランチャー(LWCLU)から地対空ミサイルのスティンガーミサイルを発射し、無人航空機(UAV)を撃墜することに成功したことを発表しました。
ジャベリンとスティンガー
ジャベリン軽量コマンド発射ユニット(Javelin Lightweight Command Launch Unit:LWCLU)は従来、対戦車・多目的ミサイルのFGM-148 Javelinミサイルの発射に使用されています。歩兵用携行用に軽量化されたこのミサイルシステムは主に戦車や装甲車、建造物など地対地攻撃用途に開発されています。ヘリなど低空飛行の標的にも使用できますが、地対空は主な用途でありません。赤外線画像誘導により、ロックオン後、自律誘導で標的を捉えます。
それに対し、スティンガーミサイルは携帯式の防空ミサイルシステムで低空飛行の飛行機やヘリコプター、ドローンといった飛翔体に対処するために開発されました。最大距離4,800m、高さ3,800mの範囲にある飛翔体を撃墜することができます。ブロック1では飛翔体の発する熱源を追尾する赤外線誘導。ブロック2では。赤外線画像誘導によりロックオン後、標的を捉えます。
ジャベリンのLWCLUは優れた光学装置を擁しており、スタンドアロンで諜報、監視、偵察の任務も可能であり、最新のシステムは、前モデルよりも30%軽量で、気象条件に関係なく、夜間は2倍、日中の3倍の視界範囲を提供するなど優れた発射システムでもあります。
一つで対地・対空能力を保持
フロリダ州エグリン空軍基地で行われたテストでは、ミシシッピ州兵がセンティネル・レーダ・シミュレータと前方エリア防空コマンド&コントロール (FAAD/C2) システムを使用して、目標とするUAVを追跡。ネットワーク化された情報はLWCLUに送られ、LWCLUから発射されたスティンガーミサイル・ブロックIはUAVの撃墜に成功します。
この成功は砲手がジャベリン、スティンガーと異なるミサイルシステムを携行することなく、対地と対空の両方の攻撃能力を持つことを意味します。
レイセイオンによるとスティンガー・ミサイルは現在19カ国で使用されており、270回以上の固定翼機および回転翼機の撃墜実績があります。ジャベリンは21カ国で採用されています。