左利きは戦闘能力が高い!?という研究結果がある

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左利きは戦闘能力が高い!?という研究結果がある

世の中のほとんどの人は右利きになる。左利きは世界的にみても10人に1人と僅か10%、日本は若干高いといわれているが、それでも11%と非常に少ない。世の中の多くが右利きように作られており、何かと不便を感じる左利きではあるが、数が少ないので野球やサッカーなどスポーツにおいてはサウスポー、レフティなどと呼ばれ、有利に働くこともある。また、左利きはよく天才肌などともいわれる。そして、もう一つ左利きの人の優れたポイントが見つかった。それは戦闘能力が高いという事だ。

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闘争仮説

左利きは戦闘能力が高い!?という研究結果がある

左利きが10%の割合しかいないということはこの5000年間変わっていないという。この比率が長い間変化していない理由を科学者たちが研究していく中である仮説が導かれた。それが1996年にRaymondらによって提唱された「闘争仮説」になる。左利きは希少だが実際には進化的に優位である、この優位性は右利きよりも遥かに希少性が維持される場合のみと主張している。基本的な考え方は、左利きは非常にまれなので、右利きは左利きと戦う経験が少ない。一方、左利きは右利きが多いため、右利きとの戦いの経験は多い。そのため、右利きは左利きに不慣れで、左利きは右利きよりも有利に戦うことである。古代、中世は戦いの歴史であり、利き腕が影響する剣で戦う時代、自ずと有利な左利きの割合が増えてきそうだが、多くの武器道具が右利き用に作られ、左利きでは上手く扱えなかったり、右利きに去勢されることもあり、増えることはなかったとされている。

左利き有利の仮説を検証

科学誌Scientific Reportsに掲載された新しいレポートによるとマンチェスター大学(英国)の地球環境科学部のThomas RichardsonとR. Tucker Gilmanの2人が闘争仮説の検証を行った。 左利きが右利きよりも実際に多くの試合に勝つかどうかを評価した。研究を評価するために、13,800名のプロ選手(男性ボクサー10,445人、女性ボクサー1,314人、総合格闘技選手2,100人)を調査した。

調査の結果、プロ格闘技では左利き選手の割合が多いことが判明。男性ボクサーの17%が左利きで、女性ボクサーの12.5%が左利き、総合格闘技選手の18.7%が左利きだった。これは世界平均の10%を大きく上回る。

更に調査の結果、左利きの選手が実際により多くの試合に勝っている結果を発見した。試合の勝率を調査したところ左利きの男子選手の勝率は52.4%、女子選手は54.5%、総合格闘技選手は53.5%と平均的な勝率を上回っていた。実際、ボクシングの世界チャンピオンでもサウスポーは多く、日本でも具志堅や山中など歴代王者の20%が左利きになる。

格闘技だけの話ではない

ただ、左利きが有利なのは格闘技だけの話ではない。前段にも述べたようにスポーツの世界でも左利きは重宝される。特にプロ野球においては格闘技以上に左利き(サウスポー)の割合が高い。各球団20~30%の割合で左投手がいる。格闘技同様にバッターが左投手と対戦する機会が多くないのと、左打者は左投手が苦手というデータなどもあるからだ。

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https://www.nature.com/articles/s41598-019-51975-3

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