7月20日、ロシアのモスクワで開催中のMAKS2021航空ショーでロシアの国営防衛企業Rostec(ロステック)は第5世代の新型ステルス戦闘機「LTS Checkmate(チェックメイト)」を発表した。
LTSはロシア語の”軽量戦術航空機”を意味する。設計したのはロステック傘下の統一航空機製造会社UACのスホイ設計局になり、ロシアで正式配備された場合は「Su-75」と命名される予定だ。しかし、チェックメイトは元よりロシア国内向けというより、海外輸出を睨んで開発されており、英語で”チェックメイト”と名付けたのはマーケティングを意識しており、海外市場で競合する中国の第5世代戦闘機に対抗する機体になる。オープンアーキテクチャを採用し、顧客の希望に応じて機能構成を変更でき、共同開発、海外への技術移転も可能だと表明している。スーパーコンピューターを駆使して設計されたチェックメイトは最新のテクノロジーにより、作業とテストの時間、コストが大幅に削減されており、価格は2500万ドルから3000万ドルを予定。2023年の初飛行を予定している。
スペック
チェックメイトはロシアにこれまでなかった単発エンジン型を採用。速度はマッハ1.8-2、航続距離3,000km、飛行高度16.5km。7400kgのペイロードを運ぶことがで、ミサイルと誘導爆弾は胴体内部のウェポンベイに収納され、ドローンも搭載することができる。最大5つのミサイルを搭載でき、R-74M短距離空対地ミサイル(RVV-MD)、R-77中距離ミサイル(RVV-SD)、Kh-38空対地ミサイル、 Kh-58UShKE対レーダーミサイル、Grom-E1誘導ミサイル、KAB-250LG-Eレーザーホーミングヘッド付き誘導爆弾など、任務に応じて多様なミサイルを搭載できる。
また、ロシアの戦闘機としては初めて機関砲を内蔵していない。オプションとしては外部に装着させることは可能だが、機関砲は接近戦でしか使用せず、現代において接近戦は稀で使用するケースはほとんどない。パイロットにも高度なスキルが求められるため、機関砲のデフォルト装備は冗長だと考えている。
アクティブフェーズドアレイレーダー(AFAR)を搭載し、これは最大6つのターゲットへの同時攻撃を可能にする。その他、電子偵察システム、光学誘導ステーション、および電子戦機器を搭載。コックピットには第5世代の制御情報フィールドと人工知能(AI)が搭載され、AIが一般タスクを引き継ぎ、パイロットは戦闘任務に専念することができる。
国内では初のスホイのマトレシュカ自動後方支援システムを搭載している。これは戦闘機の状態をリアルタイムで評価し、事前に修理・整備作業を計画し、スペアパーツの注文・納品を行うことができる。開発者によると、これによりコストが大幅に削減され、アフターサービスの効率が向上する。
https://www.rbc.ru/photoreport/20/07/2021/60f705be9a79471b8d4b5c75
https://www.gazeta.ru/army/2021/07/20/13771886.shtml
https://rg.ru/2021/07/21/reg-cfo/razrabotchik-obiasnil-nazvanie-novogo-istrebitelia.html