ベトナム戦争で米軍は初の自動小銃であるM16を投入した。しかし、ベトナム戦争で敗れた米軍はベトナムの地に多くのM16を置いていった。ベトナムはそのM16を回収して、独自に改修を行った。回収されたM16をベースに独自にベトナムで開発されたのがM18ライフルになる。
敗戦で大量に放棄される
アーマライト社が開発したAR-15はコルト社によって米軍向けにM16として製造された。プラスチックパーツを使い、5.5x45㎜弾を使用し、軽量化を実現しながらも高い致死性を有するとして、1963年11月に陸軍と空軍は104,000挺のM16を購入。65年に本格的にベトナム戦争に介入するとM14に代わる主力小銃としてベトナム戦争に投入された。1966年には陸軍と海兵隊は419,277挺のM16(XM16E1 ※後のM16A1)を追加購入する。ベトナム戦争の米軍の兵力は延べ54万人になり、一人一挺のM16が配備された形だ。米軍以外にもオーストラリア軍もM16を使っていた。しかし、ベトナム戦争は長期化し、戦況は泥沼化した。米国内の反戦運動もあり、1973年に撤退を余儀なくされる。撤退時に時間的余裕はなく、米軍は多くの兵器を廃棄、または放置して撤退せざるおえなく、多くのヘリや船、野砲が置いて行かれた。その中には大量のM16もあった。
M16をカービンモデルに改修
米軍撤退後に残されたM16はベトナム人民軍に回収される。その多くは民兵に再配備された。その後、イスラエルの銃器メーカIWI社によってベトナムに建設された兵器工場「Z111」に送られ、改修されることになる。送られたM16は10.5インチのバレルに交換されショートバレル化、 ストックは伸縮式に変更し、基幹部分はそのままに完成したのがM18カービンライフルになる。コルト社が開発したM16のカービンモデルCAR-15(XM177)と同じ形になり、CAR-15のベトナム版ともいわれる。
M18が登場した当初は中国企業のノリンコがM4A1をコピーしたCQ-A、またはAR-15のコピーだと疑われたが、れっきとした正規のM16を改修したライフルになる。その証拠に内部にはアーマライト、コルト社で刻印された製造番号が残っている。マガジンは昔の垂直型の20/30発装填のマガジンが使用されている。M18は主に特殊部隊や将校に配備されている。