世界中のアメリカ大使館は海兵隊によって警備されています

アメリカ大使館は海兵隊によって警備されています

在外大使館・総領事館の接受国はウィーン条約のもと、大使館に危害が加わらないように警備・保護する義務があり、日本でもアメリカ大使館やロシア大使館、韓国大使館の前には常に警察官が立ち警備を行っている。各国の大使館は所在する国から護られているわけだが、アメリカに関してはこれとは別に自前で武装した保安隊を各国の大使館に置いている。これらは全て屈強な海兵隊になり、”海兵隊保安警護隊(Marine Security Guard:MSG)”と言われる部隊になる。

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任務

米国務省はアメリカ大使館・領事館の敷地内の警備・保護のために1948年以降、海兵隊を派遣している。派遣された海兵隊員は警備員として主に、施設及び要員の安全確保、そして、一番重要な任務として国家安全保障に関する機密情報および機器の保護の責任を負っている。これは何が何でも護らなければならず、もし大使館を放棄する場合は情報は全て破棄せねばならない。また、米国大使館はテロの標的にされる危険性が高いため、彼らは施設へのテロ攻撃、侵入、爆発物の対処といった様々な状況から施設及び職員を護るための特殊な訓練を受けている。装備も通常の海兵隊と変わらず、迷彩戦闘服を着用し、M4やM16ライフルを装備している。もちろんそれは外交特権が及ぶ敷地内に限定されている。

中国だけ例外

ただし、例外が1つあり、それは中国だ。中国の米国大使館・領事館は、MSGによって従来の保護任務をすることはできない。中国の米国大使館の海兵隊は銃を装備することも、軍服を着用することも許可されておらず、通常の制服しか着用できない。外交特権があるとはいえ、当該国の法律に従う必要があり、中国は自国の軍、警察以外の銃の所持を許可しておらず、それは大使館でも例外ではない。警備・保護は中国人民解放軍・武装警察が全て責任を負うとなっているが、2002年には武装警察が許可なしに日本領事館に侵入する「在瀋陽総領事館事件」が起きている。

実績

MSGが設置された2年後の1950年に朝鮮戦争が勃発、北朝鮮による侵攻をうけたソウルの米国大使館のMSGは職員及び、米国市民の退避を支援することで実績を残す。1968年のベトナム戦争でのテト攻勢の際はMSGがベトナムの米国大使館を保護している。しかし、1979年の「イランアメリカ大使館人質事件」では、大挙して押し寄せる民衆の前にMSGも成す術なく、発砲せずに、他の職員と一緒に海兵隊も人質となった。また、2012年にリビアのベンガジ起きた「アメリカ在外公館襲撃事件」ではイスラム過激派によって駐リビア大使を含む4人が殺害される。この事件をきっかけにMSGは海兵隊警備強化ユニット (MSAU) を創設する。MSAUの主な任務は、危機および脅威が増大している状況において、MSGに無作為かつ定期的に部隊増強を提供することである。次にVIP訪問の間、機密資料の安全を支援する。

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Source
https://www.mcesg.marines.mil/Become-a-MSG/What-is-MSG-Duty/

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