ロシア航空宇宙軍の最新鋭戦闘機であるSu-57の開発元であるUACとスホーイ設計局は近代化バージョンアップが施されたSu-57の初の飛行テストを実施、テストは無事に成功したことを発表した。
ロシア国営メディアのインターファクス通信によるとロシアの航空機メーカーでスホーイ設計局を抱えるUnited Aircraft Corporation (UAC) が25日、アップグレードされたSu-57が10月21日に初飛行を行ったことを発表した。アップグレードされた第5世代ステルス戦闘機Su-57のテスト飛行はモスクワのM.M. グロモフ航空研究所の飛行場で行われた。Su-57はスホーイ設計局のテストパイロットで「ロシアの英雄」の称号を持つセルゲイ・ボグダン氏によって操縦され、飛行は56分間続き、何の問題もなくテストを終えたと報告している。
アップグレードされたSu-57には乗員をサポートするインテリジェンス、拡張機能、幅広い新しいタイプの武器を使用する可能性を備えた機器が搭載され、テストされた。この機体には現在開発中の新しいエンジンを搭載できるともUACは述べている。現在のSu-57のエンジンは前身のSu-35戦闘機と同じAL-41F1ターボファンエンジンを使用している。搭載予定だった超音速スパークルーズを提供するエンジンは開発が遅れており、現在は2025年の搭載を目指している。また、2021年には新しいアビオニクスを搭載し、キャビンを一新すると発表していた。
ロシア航空宇宙軍の最新鋭第5世代ステルス戦闘機であるSu-57は1998年に開発計画が始まり、2010年に初飛行、現行の量産モデルは2019年に生産が始まっている。量産機の初号機は2019年末にロシア航空宇宙軍に納入されたが、同年テスト飛行中に墜落し、量産は遅延、これまでに納入されたのは僅かに6機になる。2024年末までに更に22機受け取る予定であるとロシア国防省は発表しており、その後、2025年から今回の近代化バージョンアップ版の量産が開始される予定になっている。しかし、Su-57の量産ペースは遅く、更にウクライナ侵攻による経済制裁でアビオニクスに必要な電子部品を手に入れることが難しくなっており、近代化と量産が計画通りに進むかは不透明だ。
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