アメリカ海軍は9月14日土曜、ニュージャージー州ミドルタウンのアール海軍兵器基地で最新の攻撃型バージニア級原子力潜水艦USSニュージャージー(SSN 796)の就役式典を行った。この艦は米軍史上初の男女混合潜水艦になる。
🚢⚓ USS New Jersey (SSN 796) is now commissioned and ready for service! The Navy's latest Virginia-class submarine joins the fleet. Watch the video to learn more about the Navy's newest sub. #USSNewJersey #USNavy #Submarine #NavalPower pic.twitter.com/PEGlDaWRMw
— U.S. Navy (@USNavy) September 14, 2024
米海軍の最新攻撃型潜水艦USS ニュージャージー (SSN 796) が9月14日、正式に就役した。同艦はバージニア級原子力潜水艦の23番艦であり、Block4改良型の5番艦だ。
USSニュージャージーは海軍初の完全統合型攻撃型潜水艦であり、同艦を運用する乗組員の多様性と結束力を反映している。艦長であるスティーブ・ハレ中佐はこのユニークな側面を認め、「乗組員の統合と多様性によって、我々の優れた専門性が強化されています。我々はあらゆる点で期待を上回っています」と付け加えた。海軍がSNSに公開した映像によると、ニュージャージーは米海軍潜水艦の100年の歴史の中で「男性と女性の両方の乗組員のために建造された最初の完全統合型潜水艦」になる。「私たちがこの特定の物語の一部を初めて知ることができて光栄です」と女性兵士は語っており、「これは多様性が海軍にもたらす強さの証」だとナレーションでは述べられている。ナレーションでは、「男性と女性が初めて並んで潜水艦を操縦し、目的、技術、決意において団結する」と宣言された。「USSニュージャージーが海軍艦隊に加わったことは我々の海を守る上で障壁を打ち破る進歩の象徴」であると指摘。「ニュージャージーは潜水艦部隊の将来を象徴しており、この艇の統合には長い時間がかかりました。海軍が人員配置に関して将来を真剣に計画し、潜水艦乗組員になれる、あるいはそうなるべき稀有な人材を見つけるために全人口を活用するのは、本当に初めてのことだ」と、女性兵士は語っている。
Stars and Stripeの報道によると、艦内は男女混合の乗組員のために男女間のプライバシーを確保するため寝室と浴室を分け、ドアや洗面所が増やされている。男性よりも平均身長が低い女性に合わせて頭上のバルブの一部を下げて回しやすくしたほか、3段ベッドと洗濯機の前にステップを設置した。これら女性隊員を意識した設計は潜水艦乗組員として海軍に入隊する女性の増加に対応するために行われた。海軍では過去5年間で潜水艦部隊の女性士官の数が2倍、下士官の数が3倍に増加したという。現在、米海軍には6万人を超える女性下士官が勤務しており、8月時点で730人の女性兵士が作戦中の潜水艦に配属されている。バージニア級の乗員は134名なので、女性兵士だけで6隻分の潜水艦を運用できる計算だ。米軍は近年、兵士の募集に苦慮しており、女性兵士を積極的に採用している。これまで男性社会だった軍は女性に配慮した装備や兵器の開発が求められている。
バージニア級原子力潜水艦
バージニア級は冷戦後の2000年から開発、2004年から就役が始まった攻撃型原子力潜水艦(ハンターキラー)。敵の潜水艦や水上艦艇の捜索と破壊、トマホーク巡航ミサイルと特殊作戦部隊 (SOF) による陸上への攻撃、情報監視偵察 (ISR) 任務の遂行、戦闘グループの作戦支援、機雷戦への参加を目的として設計されている。原子炉プラントは、船の予定寿命中に燃料補給を必要としない設計になっており、航行時間を増やしながらライフサイクルコストを削減する。排水量7800t、全長114.8m、全幅10.4m、240m以上の深さまで潜水でき、25ノット(46km/h)以上の速度で航行。134人の乗組員を乗せている。武装にはMk48魚雷、ハープーン対艦ミサイル、VLSによって発射されるトマホーク巡航ミサイルなどがある。また、40人程度のネイビーシールズを輸送するための居住コンパートメントが用意されている。USSニュージャージーはバージニア級23番艦になり、10隻の建造を予定しているBlock4の5番艦。Block4は主要整備期間が4回から3回に短縮され、生涯配備回数が1回増加している。