北朝鮮兵,ウクライナに制圧された村奪還、かたや同士討ちという報道も

北朝鮮兵,ウクライナに制圧された村奪還、かたや同士討ちという報道も

2024年10月からロシア領クルスクに投入されているとされる北朝鮮兵。最近はその行動が本格しているのか、北朝鮮兵の戦闘に関する報道が相次いでいる。

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特殊部隊がウクライナ兵300人を殺害

ロシア軍事ブロガーは北朝鮮兵の特殊部隊で編制された部隊がウクライナ軍に制圧されていたクルスク州のプリョホヴォ村を「ハリケーンのように」襲撃し、奪還。その際に300人のウクライナ兵を殺害したと報告した。戦闘は12月6日金曜に発生。戦闘は2時間足らずで終了したとされ、ロシアの従軍記者ユーリ・コテノク氏は「村は確かに北朝鮮兵の特殊部隊の戦闘員によって占領された。北朝鮮兵は地雷原を1マイル以上歩き、電光石火の速さで村に突入、占領部隊を壊滅させた」と語った。捕虜は一人もとらなかった報告されており、それは生存者がいなかったのか、処刑したのか不明だ。村の制圧が事実であれば、北朝鮮兵による最初の戦果になるが、これに関してウクライナ国防省、ロシア国防省とも公式発表はない。ロシア人の中にもこれを否定する者もおり、真偽は不明だ。

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北朝鮮兵200人が戦死

この報道に対抗するかのように、ウクライナ国防情報局(DIU)は14日土曜、ウクライナ軍の攻撃が成功した結果、北朝鮮軍が200人の死傷者を出したと報告した。ウクライナ軍は雪上に20人以上の北朝鮮兵の遺体が並ぶ様子をドローンで撮影した動画を公開している。ウクライナ軍はクルスク州に展開する北朝鮮兵とロシア軍の混合部隊を撃退するために第414無人攻撃航空システム連隊、マフーラ旅団、第95空挺旅団、第36独立海兵旅団、第1戦車旅団、第17戦車旅団を投入。今回の戦果は主にFPV自爆ドローンによる戦果だと強調されている。ロイター通信によれば、米国防省は16日に北朝鮮軍がクルスクでロシア軍と共に初めて戦闘状態に入り、北朝鮮兵士が死傷したとの兆候を明らかにした。「北朝鮮兵士がクルスクで戦闘に参加したと我々は評価している。死傷者の両方が出たという兆候もある」と国防総省報道官のパット・ライダー少将は記者団に語っている。

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北朝鮮兵が味方のチェチェン人部隊を攻撃

ウクライナ軍は16日、北朝鮮兵が誤って友軍であるチェチェン共和国の部隊「アフマト大隊」の車両を攻撃、いわゆる同士討ちの結果、チェチェン兵8名が死亡したと報告している。同士討ちが起きた要因として、言葉の壁により、意思疎通がとれず、北朝鮮兵とロシア軍・友軍との間で統制がとれていないとの報道もあるが、チェチェン人部隊はロシア軍の一部ではあるが、遊軍のような形でしばしば、ロシア軍と別指揮で行動することも多く、言葉関係なく情報が共有できていなかった可能性もある。そもそもウクライナ戦争が始まってからロシア軍とチェチェン兵、及び親ロシア武装組織の間では同士討ちは頻発、ロシア軍同士でも多発している。また、ロシア兵とチェチェン兵は以前から仲が悪く、チェチェン兵がロシア兵の金品を巻き上げたり、乱闘騒ぎも起きている。ロシア兵もチェチェン兵の待遇が自分たちよりも良い事に不満を持っており、北朝鮮兵うんぬんより、ロシア軍全体の構造の問題ともとれる。このような状況で全く人種、文化が異なる北朝鮮兵が加われば現場は更に混乱するだろう。

2024年に始まった北朝鮮によるロシアへの兵の派遣。現在、1万2000人ほどの北朝鮮兵がクルスクに駐留しているとされる。北朝鮮の支援を受けたロシア軍は攻勢を強めており、ウクライナ軍に制圧された地域の40%を奪還したと言われている。北朝鮮兵の数は今後、5万、最終的には10万人ほどに膨れ上がるとも言われており、現在は、クルスク州のみに投入されているが、数が増えれば他の地域にも派遣される事が懸念されている。北朝鮮兵はロシア軍隷下のもと他のロシア兵同様、人海戦術戦法で戦地に投入されており、今後、損失は更に増える可能性がある。

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