今年の第92回アカデミー賞は第一次世界大戦を描いた戦争映画『1917 命をかけた伝令』が視覚効果賞、撮影賞、録音賞と3部門のオスカーを受賞した。長い歴史を誇るアカデミー賞では過去には多くの戦争映画がオスカーを受賞している。
- 1 ダンケルク(2017)
- 2 ハクソー・リッジ(2016)
- 3 アメリカン・スナイパー(2015)
- 4 ゼロ・ダーク・サーティー(2012)
- 5 イングロリアス・バスターズ(2009)
- 6 ハート・ロッカー(2008)
- 7 硫黄島からの手紙(2006)
- 8 戦場のピアニスト(2002)
- 9 ノー・マンズ・ランド (2002)
- 10 ブラックホーク・ダウン(2001)
- 11 パール・ハーバー(2001)
- 12 プライベート・ライアン(1999)
- 13 ライフ・イズ・ビューティフル(1998)
- 14 シンドラーのリスト(1993)
- 15 プラトーン(1986)
- 16 地獄の黙示録(1979)
- 17 ディア・ハンター(1978)
- 18 パットン大戦車軍団(1970)
- 19 戦場にかける橋(1957)
ダンケルク(2017)
第二次大戦中の実話を描いた映画。1940年5月、英仏連合軍の40万人の兵士が独軍の猛攻を受け、フランス北部のダンケルクまで追い詰められていた。イギリス首相チャーチルは兵士を救出すべく民間の船も徴収して大規模な救出作戦ダイナモ作戦を発動する。追い詰めされた兵士と救出に向かう者たちの活躍を描いている。
受賞
編集賞、録音賞、音響編集賞
ハクソー・リッジ(2016)
第二次大戦中の実話を描いた映画。敬虔なキリスト教徒のデズモンド・T・ドスは第二次大戦が始まり、衛生兵として軍に志願する。しかし、かれは銃を頑なに手に取らなかった。キリストの教えである「汝、殺すことなかれ」を守るために。命令違反として上官や仲間からも責められるも信念を曲げず、従軍。沖縄のハクソー・リッジで衛生兵として敵味方関係なく多くの兵士を救う。
受賞
録音賞、編集賞
アメリカン・スナイパー(2015)
実在した伝説的スナイパー「クリス・カイル」の半生を描いた映画。特殊部隊ネイビー・シールズに入隊したカイルは2003年から始まったイラク戦争に派遣される。スナイパーとして160人を射殺した彼は味方から英雄、敵からは悪魔と讃えられる。しかし、その陰で彼は仲間の死など深い心の傷を負っていくのである。
[adcode] © Warner Bros. Entertainment Inc. 今回、紹介する映画は2015年に公開された戦争映画『アメリカン・スナイパー』。原作はイラク戦争に4度従軍したクリス・カイルの自伝『ネイビ[…]
受賞
音響編集賞
ゼロ・ダーク・サーティー(2012)
ビン・ラディン殺害までに至る経緯をおった女性CIAエージェントの物語。CIAはビンラディンを追っていたが具体的な情報をつかめないでいた。分析官のマヤはある男からビンラディンに繋がる男の情報をつかむ。ビンラディンまでに行き着くまでの苦難や苦悩、そして最後の殺害に至るまで描いている。
受賞
音響編集賞
イングロリアス・バスターズ(2009)
1944年、ナチス占領下のフランスで家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナは家族を殺害したランダ大佐に再会。彼への復讐を計画する。一方、レイン中尉率いる“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれる連合軍の極秘部隊は、フランスでナチス兵を次々に殺害していた。やがて、シュシャナの復讐とレイン中尉が計画するナチス高官の暗殺計画が合致し、計画が遂行される。
受賞
助演男優賞
ハート・ロッカー(2008)
イラクに駐留する爆発物処理班を描いた映画。新しく就任したウィリアム・ジェームズ二等軍曹は命知らずの型破りな方法で次々に爆弾を解体していく、しかし、その行動に他の隊員たちは振り回される。常に死と隣り合わせの状況に隊員たちは不安を不満を募らせていく。
[adcode]IMDb戦争・アクション系の映画に特化して紹介するミリレポ映画レビュー。今回、紹介する映画は2010年に公開された 『ハート・ロッカー』。アメリカ陸軍爆弾処理班(EOD)にスポットを当てた異色の戦争映画にな[…]
受賞
作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、音響編集賞、録音賞
硫黄島からの手紙(2006)
硫黄島プロジェクトの2部作のうち、日本側の視点で硫黄島の戦いを描いた映画。太平洋戦争の戦況が悪化する中、硫黄島に着任した栗林中将、一兵卒の西郷一等兵など硫黄島で戦う兵士たちが厳しい戦況の中、国に残した家族に想いを寄せる手紙を交えて、彼らの心情を描いた映画になる。
[adcode]IMDb戦争・アクション系の映画に特化して紹介するミリレポ映画レビュー。今回、紹介する映画は2006年に公開された戦争映画『硫黄島からの手紙』。太平洋戦争の激戦地であった硫黄島の戦いを日米双方の視点から描い[…]
受賞
音響編集賞
戦場のピアニスト(2002)
ナチスのホロコーストを生き抜いたポーランドの国民的ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの回顧録を描いた映画。ユダヤ系のシュピルマンはナチス占領下のポーランドで家族もろとも強制収容所送りなる。しかし、彼だけ収容所に収容されるのを免れる。潜伏生活を送る中、一人のドイツ兵に見つかってしまう。
受賞
監督賞、脚色賞、主演男優賞
ノー・マンズ・ランド (2002)
ボスニア紛争を描いたボスニアの戦争コメディ映画。ボスニア軍とセルビア軍との間の無人地帯(ノーマンズランド)でセルビア兵士はボスニア兵の死体の下に地雷を埋めるも兵士は生きていた。両軍の駆け引きと周囲の国連軍とマスコミを交えてコメディチックに描いている。
受賞
外国語映画賞
ブラックホーク・ダウン(2001)
1993年に起きたアフリカはソマリアのモガティシュの戦いを描いた映画。ソマリア紛争に介入していた米軍は民兵の将軍を捕らえるべく、レンジャー、デルターフォースを送り込む。しかし、民兵の激しい抵抗に会い、2機のブラックフォークヘリが墜落。兵士たちは搭乗者を救出すべく、民兵で溢れる場所に向かうのであった。
受賞
編集賞、録音賞
パール・ハーバー(2001)
太平洋戦争が勃発した1941年12月7日の真珠湾攻撃から、アメリカが初めて日本本土を空爆したドーリットル空襲を描いた映画になる。レイフとダニー、レイフの恋人イヴリンの3人を交えた三角関係を交えながら物語を描いている。
受賞
音響編集賞
プライベート・ライアン(1999)
1944年6月、決死の思いでノルマンディーに上陸したミラー大尉に下された命令は、兄弟3人を戦争で亡くしたライアン二等兵を探し出して連れ戻すことだった。落下傘兵としてどこ降下したかも分からないライアン二等兵一人のために8人の兵士が捜索に向かう。
[adcode]IMDf監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・ハンクスという最強タッグで1998年に公開された戦争映画。公開後20年たつが、これを超える戦争映画はまだないのでは? と思える名作。この映画が名作戦争ドラマ[…]
受賞
監督賞、編集賞、撮影賞、音響賞、音響編集賞
ライフ・イズ・ビューティフル(1998)
ナチスの収容所に収監された家族を描いたイタリア映画。1939年、ユダヤ系イタリア人のグイドは、ドーラに恋をし、結婚。息子も生まれ3人は幸せな日々を送っていた。しかし、イタリアに進駐してきたナチスにより家族は強制収容所へ送られる。不安がる息子に対しグイドはこれはゲームだといって、息子を怖がらせないように奔走する。やがてイタリアが連合軍に敗戦し、一家は解放さると思ったのだが…
受賞
主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞
シンドラーのリスト(1993)
実在したオスカー・シンドラーの功績を描いた映画。ナチス占領下のポーランドで実業家でナチス党員のシンドラーは戦争で一儲けしようと安価な労働力のユダヤ人を雇ってホーロー容器工場を経営していた。ナチスに取り入り事業を拡大するも、ナチスがユダヤ人を迫害していることを知り、彼は全財産を使ってユダヤ人を救う事を決める。
受賞
作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞
プラトーン(1986)
ベトナム帰還兵で今作の監督、脚本を務めたオリバー・ストーンのベトナム戦争での実体験を基にした映画。米軍によるベトナム民間人に対する虐殺や強姦、米兵たちの間で広がる麻薬汚染、仲間内での殺人、誤爆、同士討ち、敵兵に対する死体損壊など、ベトナム戦争の狂気を描いている。
受賞
作品賞
地獄の黙示録(1979)
プラトーン同様にベトナム戦争の狂気を描いた映画。元グリーンベレーのカーツ大佐がカンボジアのジャングルに独立王国を築く。ウィラード大尉はカーツ大佐の暗殺を命じられる。カーツ大佐のもとへ向かう道中にウィラードはベトナム戦争の狂気を目の当たりにし、自身も平静を失っていく。
受賞
撮影賞、音響賞
ディア・ハンター(1978)
ベトナム戦争を描いた映画。マイケル、ニック、スティーブンは猟仲間で休日に鹿狩りを楽しんでいた。やがて3人はベトナム戦争に徴兵される。3人はベトナム軍の捕虜になり、ロシアンルーレットを使った過酷な拷問ゲームを強いられる。3人は何とか脱出するも大きな心の傷を負っていた。
受賞
作品賞、監督賞、助演男優賞、音響賞、編集賞
パットン大戦車軍団(1970)
第二次世界大戦のアフリカ戦線、バジルの戦いで活躍したアメリカ軍の将軍で優れた戦術家でもあったジョージ・パットン将軍を描いた映画。
受賞
作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、編集賞、美術賞、録音賞
戦場にかける橋(1957)
第二次大戦中の1943年、ビルマとタイの間にある捕虜収容所を舞台に泰緬鉄道建設の強制労働に従事されるイギリス兵の捕虜と日本軍のやり取り描きながら、当時の戦争捕虜の人権や尊厳を無視された状況を描いている。
受賞
作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、撮影賞、作曲賞、編集賞