中国人民軍(PLA)はロシアが開発製造する重攻撃ヘリコプター”Ka-52K カトレン”を36機購入する計画を立てています。購入されれば、Ka-52Kは075型強襲揚陸艦の艦載機ヘリとして運用され、台湾侵攻、離島攻略に使用されると目されています。
最も優れた攻撃ヘリの一つ
中国メディアの報道によると先月、ロシアで開催された軍事技術フォーラム「Army2021」で、中国人民軍代表団は極東の兵器工場を訪れ、ロシア兵器輸出会社と36機のKa-52Kの契約に署名したとされています。Ka-52Kは中国海軍の新造強襲揚陸艦075型への艦載機としての運用が目的とされています。2021年に1番艦が就役した075型は現在3隻が建造されており、最終的には8隻が建造される予定で、フランス海軍の「ミストラル級」、アメリカ海軍の「アメリカ級」と同等の排水量4万トン以上を誇るこの艦は中国海軍の離島攻略の要となる艦船です。離島攻略において戦術上、攻撃ヘリは必須です。075型は最大30機の攻撃ヘリを搭載でき、6機同時に離陸させる能力があります。しかし、075型に搭載運用できる攻撃ヘリが中国にはありませんでした。そこで目を付けたのがロシアのKa-52です。Ka-52は世界でもTop5に入る性能を誇る攻撃ヘリです。
2008年に量産が始まったKa-52は現在、近代化版のKa-52Mとロシア海軍用に開発されたKa-52Kの2つのバリアントがあります。PLAが購入を検討しているのはロシア海軍用に空母や強襲揚陸艦の艦載機ヘリとし使えるようにカスタマイズされたKa-52Kになります。艦内に収納できるよう折り畳み式のローターと翼、ボディとシステムには対腐食・塩害性対策、パイロットはイマージョンスーツ(防寒・防水救命衣)を直用して操縦、海上に墜落、不時着した時のための緊急脱出システムに乗員生存システム備えています。火器管制レーダーには「シーモード」があり、対艦ミサイルをサポートできるようになっています。探知能力200kmのフェイズドアレイ・アンテナを搭載しており、索敵能力にも優れています。武装は30mm機関砲に、対戦車ミサイル、空対空ミサイル、空対地ミサイル、ロケット弾など様々な兵器を搭載でき、最大戦闘半径は8kmになります。航続距離は1,160kmですが、空中給油が可能です。
Ka-52Kを手に入れることで、075型の攻撃能力は大幅に向上されることになります。